エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】ASKA、テレビ生出演の真意「向かい風に向けて歩く姿」見てほしかった

15日の生放送後に山口アナが改めてASKAに行ったインタビューが16日の朝、『ももち浜ストア』で放送された。山口アナはカメラが回っていない時のASKAからも、覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕されてからの一連の出来事に対して「誠実に向き合い、深く反省しているという思いが伝わった」と振り返る。彼はスタジオを去る前に自らスタッフに歩み寄ってひとりひとりに握手しながら感謝の言葉を述べたという。

テレビで歌うのは5~6年ぶりというASKAは今回の出演を決断するにあたり、歌だけでなく事件についても触れるため「“何食わぬ顔”で映ってしまうのではないか」「“能天気”に出ているようなイメージで映ってしまうのではないか」と懸念していた。そのため全国放送ではなく「故郷・福岡の番組で“再出発”するのが一番良いのでは」と考えたのである。

それでも福岡での出演はワイドショーなどで全国に紹介され、「テレビ復帰は早かったのでは」「大いに違和感がある」と受け止めるコメンテーターもいた。もし全国放送での出演であったなら、彼の懸念通りさらに批判されたかもしれない。ツイッターでは「ASKAの喋り方って知らない人からみたら反省してなさそうに見えるかもしれんねw 昔からこういう喋り方なんです」というツイートもあった。やはりファンはASKAのことをよく知っているのだ。

生出演を終えたASKAは「福岡から歩き出すことができて良かった。ただ、これで全てにおいて解禁とは思っていない」「音楽への情熱を失わないための時間を頂けたと考えている」「これからは音楽を含めた、本来やるべきことへ向かってまたコツコツとやっていくことになる」との趣旨を語った。

またASKAは、世間は彼の執行猶予が終わってもすぐに「今日から楽曲を聴こう」とはならない現実とも向き合っており、「空気や風がそうさせている」「黙っていれば黙っている姿しか映らない」「歩けば歩いている姿を見てくれるだろう」「人は追い風よりも向かい風に向かって歩くのを見る方がおもしろいものだ」「自分が動かないと何も始まらない」「アルバム作りもテレビ出演もその気持ちからやったこと」と胸のうちを明かした。

“再出発”という言葉についても「捉え方はいろいろあるだろう」としたうえで、「音楽活動は粛々と続けていきたい。ただ、今は表に出る時期ではない」と話しており、これを機にメディア露出を急激に増やしていく意向ではないようだ。

今回の生出演の目的は、楽曲『FUKUOKA』を披露して「歩んでいる姿」を見せること、そして覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕された件を自ら話すことであったと思われる。

ASKAは初めて覚せい剤を手にした時のことを「僕にくれた人もそれが覚せい剤とは知らなかった」と明かしている。「僕のところに来る時には“全然違う言葉”になっていた」「“冷たいやつ”と言われて医師に処方されていたアンナカ(安息香酸ナトリウムカフェイン)みたいなものと思った」「ここで騙されてはいけないところ」と後悔とともに振り返った。覚せい剤と知らずに使ってしまう、そのような現状を世間に伝えようとの思いも強かったのではないか。

2009年1月30日に「CHAGE and ASKA」が無期限活動休止を発表した後、ASKAは2012年10月に7枚目のオリジナル・アルバム『SCRAMBLE』を発表した。『いろんな人が歌ってきたように』や『あなたが泣くことはない』、『僕の来た道』など彼ならではの素晴らしい作品が収録されている。なかでも『歌の中には不自由がない』は「壁にぶつかっていた」ASKAの心の叫びのように思える。今、改めて聴くとさらに生々しく響く一曲である。

出典:https://www.youtube.com
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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