海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】結婚式で踊る少年に手拍子した少女5名 「恥知らず」と家族に殺される(パキスタン)

少年少女が「タブーを犯した罰」として殺害されたのは、パキスタン北西部にある非常に貧しい村コヒスタン。厳しい宗教の教えと古い道徳にしばられるこの村で事件は6年ほど前に起きた。ある結婚式の様子が携帯電話により録画され、それを見た村の大人たちが激怒。少女たちが少年と同じ部屋で時を過ごし、楽しそうに手拍子するなど決して許されないとして、踊っていた少年とその家族、そして少女たちの殺害が決まったのであった。

そこに映っていた少女たちはバゼーガさん、サリーン・ジャンさん、ベーグム・ジャンさん、アミナさん、シャヒーンさんの5名。パーティでは輪になって座る中、ある少年が楽しそうに踊り出すと音楽に合わせて笑顔で手拍子を送っていた。ただそれだけであるが、村の長老や宗教指導者は激怒。「とんだ恥さらし」と家族も激怒し、少女たちは数週間にわたり幽閉された場所で熱湯と熱い石炭を投げつけられ、死亡するとコヒスタン村の丘陵地帯に埋葬されたという。

この事件が明るみに出て法廷に持ち込まれたのは、踊っていた少年の家族のうち、命を狙われながらも逃走に成功した者がわずかにいたため。現在イスラマバードで暮らしている1人の男性が弁護士に相談し、その助けを得て最高裁判所に直訴したという。革新派で知られるイフティクハー・チャウダリー首席裁判官はさっそく調査官をコヒスタン村に派遣。少女たちと面会したところ、生年月日など情報を記した資料となぜか一致しないことがわかったという。

調査官はその後、首席裁判官に「村を挙げての証拠隠滅が強く疑われる」と報告。少女5名の行方不明について調査が入ることを恐れ、村の大人たちは似た雰囲気の少女を親族から数名選んでは身元を偽るよう強要し、1人においては指紋を変えさせた疑いがあるとしている。しかし村の全員が「不慮の事故で死亡した者はいるが、少女たちは殺されていない」と主張しているとのこと。被害届も出されず警察も動かないまま、事件は闇に葬られようとしていたようだ。

理不尽な理由による名誉殺人を許さないための法律が生まれ、世界の人権擁護団体が「パキスタンの女性たちにもっと教育を」と強く訴えているが、コヒスタン村がそうであるように、地方の貧しい村では部族の男の長老や宗教指導者で構成される伝統的な会議「ジルガ」で決められたことがすべて。女こどもの人権などないに等しい。警察すら丸め込まれるため名誉殺人も暴かれようがないという。

出典:https://www.washingtonpost.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

1 2