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writer : maki

【エンタがビタミン♪】ビートたけし、清原和博氏が薬物を断つためには「野球界の寛容さが必要」

彼は「執行猶予4年ではあるが、自分は一生執行猶予だと思っている」と罪を受け止めており、覚せい剤について「『やめられた』という言い方はなかなか言いづらい」「今日は使わなかった。じゃあ明日も頑張ろうという一日一日の積み重ねです」と話しており、安易に「やめました」「もうやりません」と口にしないのが印象的だった。

東京大学薬学部教授・池谷裕二氏は「薬物は一旦手を出すと脳の神経回路そのものが変化してしまう。脳のシナプス結合そのものが物理的に変化してしまい、一生治らないと言われている」「再犯率は平均65%で年齢とともに上がる。清原氏は来年50歳だが、50代の再犯率はおよそ80%とされる」という。そうした薬物の性質から「気合とか根性、強い意志で治せるようなものではない。治療するためには薬物のない環境を整える必要があり、1人では(薬物をやめることは)無理なので周囲の助けを求めて監視の目を利用しながら一生かけて治していく」必要があると語った。

MCのビートたけしは浅草時代に覚せい剤の怖さを見聞きしており「先生の言う通りだ」「脳に作用するから(薬物の)無い環境のところに行くしかない」と池谷氏の話にうなずいた上で、清原氏の今後について「生きる道は野球しかないと思う」と切り出した。

プロ野球で活躍し日本中を沸かせたあれだけのスターが落ち込んだままでは寂しいではないかと語り、「野球界には、受け止めてくれる許容の広さが欲しい」「永久追放みたいなことをいうからダメで、野球界が皆で清原を復活させるつもりでいかなければ。監視の目を厳しくして、絶対そういう状況に置かないということで結束すれば、野球界も素晴らしいなと思える」と持論を示した。

たけしが清原氏のインタビューについて「『もうやめました』とは言わないから正直だよね」と言うように、「脳の神経回路が変化する」という池谷氏の話からも自分だけでは治せないのが覚せい剤の怖さだと改めて知らされた。野球界だけでなく社会もそのことを認識して受け止めることが覚せい剤をなくす道につながるのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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