エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】THE ALFEE、宇宙戦艦に降臨 「3人なら無限」45年のパワー見せつける<夏のライブレポ>

なかなか聴けないレア曲の演奏だ。「僕らの節目の曲です」とキャニオンレコードに移籍しての再デビュー曲『ラブレター』(1979年)を高見沢もアコースティックギターで演奏した後は、坂崎が「当時から一回も生演奏でやったことがない曲をやろうと。僕らはドキドキしてますが、みんなは多分ポカンとしていると思います。夏にふさわしいこの曲を…」と紹介し、『真夏の夢』(1975年)を初披露した。この日のライブで通算2748本目となるTHE ALFEE。国内バンドの最多記録を更新中だが、まだ演奏していない曲があったのかと驚かせられる。

高見沢俊彦もアコースティックギターで曲を披露(C)上飯坂一

高見沢が「一番嬉しいのはアルバム『Battle Starship Alfee』が完成してリリースしたこと。アルフィーは間違いなく進化している。歌もギターも。45年バンドが経つとこうなる」と語ったが、本編後半では久しぶりのオリジナルアルバム『Battle Starship Alfee』からも数曲を披露。イントロから壮大な世界観を持つタイトルチューン『Battle Starship Neo』、彼らならではの胸を打つプログレッシブロック『進化論B』、力強く伸びやかな桜井の歌声が心地良く、彼らの出会った頃を振り返ったような『はじまりの詩』、桜井の艶やかなヴォーカルが魅力的な『Rock憂』で会場を魅了した。

伸びやかな歌声を聞かせる桜井賢(C)上飯坂一

このライブでは代表曲『星空のディスタンス』『メリーアン』の他に、THE ALFEEの特色であるさまざまなジャンルの曲で観客を沸かせた。アコースティックやポップス、ロックはもちろん、ハードロックの『受胎悲劇』、演歌の『さすらい酒』、プログレの『DNA Odyssey』や、坂崎がハンドマイクで歌う『CRASH!』、高見沢がヘッドマイクで振り付きで歌い、客席もダンスで盛り上がる『D.D.D!』などそのバラエティさは類を見ない。そこに不動のコーラスが加わり、THE ALFEEサウンドが仕上がる。

楽しい演出も健在で、THE ALFEEならではの息の合ったトークはもちろんのこと、3人が着物姿で「昭和兄弟」となりTHE ALFEEのお祝いに駆け付けて昭和歌謡を披露したり、高見沢が手で頬をゆすりながらカエルの鳴き声を真似すると会場は大爆笑だ。

THE ALFEEのほとんどの楽曲制作を担当する高見沢俊彦(C)上飯坂一

アンコールの『SWEAT&TEARS』では、当日観客に渡されたLEDオクタブレスレットがピンク色に光り、ピンク色の灯とともにこぶしが一斉に振られた。高見沢は「僕の持論なんですけどね、1人だと限界があるけど3人だと無限な気がします」と語り、「10代で3人で出会って、還暦過ぎても一緒に音楽をやっていける喜びを今夜感じることができました。本当にどうもありがとう!」と感謝を伝えると会場に割れんばかりの拍手が起こった。

最後に「これからの一年一年、ライブの一本一本が大切です。THE ALFEEをよろしく!」と高見沢は呼びかけて今後のライブへ変わらぬ意気込みを見せた。THE ALFEEは毎年恒例の秋の全国ツアー『THE ALFEE 45th Anniversary Best Hit Alfee 2019 秋の乱 Battle Starship Alfee II』を10月3日、府中の森芸術劇場どりーむホールからスタートする。これからますます円熟味を増す3人から目が離せない。

写真撮影:上飯坂一 8月3日に撮影
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

美しい照明に彩られたTHE ALFEEのステージ(C)上飯坂一

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