店側は「自分自身と顧客を危険にさらした」という理由でショーンさんを解雇したのである。
テスコで長年働いてきたショーンさんにとって、解雇はとても受け入れ難いものがあった。ショーンさんと家族はテスコの判断に納得がいかず、テスコへ解雇を取り消してもらうように裁判所へと訴えた。しかしショーンさんの訴えは2月6日に却下されてしまった。
精神的な疲労が重なったのか、ショーンさんはその1週間後の13日に自宅で亡くなっているところを発見された。死因は窒息死だったという。
ショーンさんの継娘であるシボーン・ウィンスタンリーさん(Siobhan Winstanley、28)は、ショーンさんが死亡した件についてテスコに手紙を送ったが、「その問題は既に終了した」という返答があっただけだった。シボーンさんは父親を亡くしたやるせなさを次のように語っている。
「今も父のいた店に行けば、間違いなく父がそこにいるような感覚を覚えることでしょう。しかしもうそこにはいません。私はテスコに対して怒りを抑えられずにいます。私達は父の遺灰を壷に入れて、リビングルームに置いていますが、毎朝コーヒーを飲む時にその遺灰を見ながら、『もし状況が違っていたら父は死ななくてすんだかも…』と思うのです。」
「私達はテスコを裁判で訴えるべきだったのかもしれません。しかし彼らがすることは、せいぜい遺族への慰謝料を渡すことぐらいでしょう。私はお金なんていりません。ただ父に帰ってきて欲しいだけなのです。」
一方、テスコのスポークスマンは「我々の仲間である従業員の福祉と安全は、我々にとって最も重要なことです。ショーンさんの死について聞かされた時は非常に悲しい思いをしました。ただ残念なことに、我々は彼の個々の状況についてコメントすることはできません」と述べている。
画像は『Metro 2019年8月12日付「Tesco worker killed himself after being sacked for leaving till to chase shoplifter」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)