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writer : ac

【海外発!Breaking News】子供約500人を含む600人以上がHIVに感染 注射器使い回しや輸血が原因か(パキスタン)

当局はそれが真実なのか、感染源は同医師の血液なのか、そもそも医師の資格を持っていたのかなどについて調査を進めてきた。『The Guardian』によるとムザファー医師の診察を受けていた4人の子供がHIVで死亡しており、両親らが同医師の責任を追及しているという。

しかしながらパキスタンでは静脈注射による薬物乱用者や性労働者、湾岸地域への出稼ぎ労働者がHIVの感染を広げていることも分かっており、HIVの感染拡大は今に始まったことではなく、今回たまたま数字が明らかになっただけとみる者もいるようだ。「国際連合エイズ合同計画(UNAIDS)」によると、パキスタン国内には無資格の医師が60万人いるとしており、「パキスタン医師・歯科医審議会」はシンド州だけで約20万人の無資格医師が医療行為を行っていると明かしている。

シンド州ヘルスケア協議会のCEOであるミナジ・キドウァイ医師(Minhaj Kidwai)は、これまでの調査について次のように語っている。

「これだけの感染を一人の医師の責任とするには無理があります。注射器の使い回し、輸血や点滴の安全性など問題は山積みで、捨てられた注射針を集めて医師に売りつけている者さえいることが分かっています。ここ3週間でラカルナでは600の施設が政府から安全性に問題があると警告され、147の施設が閉鎖されています。また、床屋でカミソリの刃を使い回していることも一因だと考えられています。小さな子供の割礼を床屋で行っている地域もあるほどです。」

2月に生後16か月の幼児を診察し、HIVに感染していることを突き止めたイムラン・アカバル医師(Imran Arbani)は、「この地域の医師の多くはHIVについての知識がほとんどなく、訓練も受けていません。衛生状態も悪く、偽医者が横行しています」と語っている。またこの幼児の両親は「最初の医師は誤診で、娘の具合は悪くなるばかりでした。また医師らは内服薬を処方せず、注射器を使うことが多いのです。今の娘の症状は落ち着いていますが、不安は尽きません」と明かしている。

シンド州政府と保健省は現在、UNAIDS、国際連合児童基金(ユニセフ)、世界保健機関(WHO)や国際連合の機関らと協力し、感染の拡大防止に向けて動いている。感染者の大半は罪のない子供たちである。彼らが苦しむことがないように、感染者への対策もしっかり行ってもらいたいものだ。

画像は『TRT World 2019年5月17日付Facebook「Pakistani police are investigating whether a doctor intentionally infected over 500 people, including 400 children, with the HIV virus.」』『The Express Tribune 2019年4月30日付「AIDS-infected doctor arrested for allegedly spreading HIV among patients in Larkana」(PHOTO: EXPRESS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

逮捕されたムザファー・ガンハロー医師(画像は『The Express Tribune 2019年4月30日付「AIDS-infected doctor arrested for allegedly spreading HIV among patients in Larkana」(PHOTO: EXPRESS)』のスクリーンショット)

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