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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】50万人に1人 胎児のお腹にもうひとりの胎児「胎児内胎児」(コロンビア)

腹腔鏡手術が行われ、医師らは体長約4.5cm~5cm、重さ14gほどの不正形成の胎児を無事に女児の腹部から取り出した。自身の羊膜嚢に包まれていたこの胎児には、未発達の頭部やへその緒、四肢があったが、脳や心臓がない状態だった。

イギリスの医師会雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal)」によると、「Fetus in fetu」と呼ばれる先天性奇形の最初の症例報告は1808年で、50万人に1人の確率で発生するとされている。この封入奇形胎児(胎児内胎児)は骨や筋肉組織、毛を含む腫瘍「奇形種(テラトーマ)」と誤診されることもあるが、ミゲール医師は今回の胎児は同じ卵子からの一卵性双生児として育っていたものであることを確信している。

未発達の胎児は、大きく健康な双子のかたわれと結合して生まれてきたり、吸収されて体の内部や外部で部分的に成長することがあることから、寄生性双生児などとも呼ばれている。『The New York Times』が伝えるところによると、こうした状態は受精後早い段階で起こった受精卵の細胞分裂がうまくいかず、不完全な状態で細胞分裂を繰り返し、大きな胎児が未成熟の小さな胎児を包みこんでしまうことにより起こる非常に稀なケースという。これまでの症例は少ないが、最近ではインドやインドネシア、シンガポールなどで似たような例が報告されているようだ。

ミゲール医師は「手術を終えた女児の容態は安定している。腹部に傷ができたが、普通の赤ちゃんとして順調に育っている」と話している。

画像は『The Sun 2019年3月21日付「‘PREGNANT’ NEWBORN Little girl is born with her own 14g twin growing INSIDE her tiny belly stunning doctors」(Credit: CENTRAL EUROPEAN NEWS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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