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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】21歳娘を摂食障害で亡くした母、悲しみを吐露するとともに世間へ注意喚起(北アイルランド)

学校も休みがちになった。ほとんど何も口にせず痩せ細り弱々しくなっていく彼女に、更なる悲劇が襲ったのは2016年のことだった。ソフィーさんは地元でレイプ被害に遭ったのだ。弱って何の抵抗もできなかったソフィーさんを襲った加害者は、後に逮捕され有罪判決を受けたようだ。

2017年1月、ソフィーさんはベルファストにあるメンタルヘルス入院患者病棟「Child and Adolescent Mental Health Service」に8か月入院した。2017年4月の21歳の誕生日は病棟で迎えたが、12月のクリスマスは自宅で親やきょうだいらと過ごすことができた。退院後もソフィーさんの症状は完治しておらず、シャロンさんは「娘はますます小さく痩せ細っていた」と言う。

今年の4月に22歳になるはずだったソフィーさんだが3月17日、自室で帰らぬ人となってしまった。その変わり果てた姿を見つけたのは、シャロンさんの夫レイモンドさん(50歳)だった。

「夫は娘が亡くなっていることにすぐ気付いたようです。夫に呼ばれて娘の部屋に行くと、ただ静かにベッドに横たわっている娘の姿がありました。私は前夜に娘へ『おやすみ』と声をかけたのですが、『おはよう』と言ってあげることができませんでした。」

死因は心不全だったようだが、シャロンさんはソフィーさんが摂食障害の結果に心不全を起こしてしまったのではと推測している。

「拒食症が娘の命を奪ったと私は思っています。娘が亡くなった時、体重がどのぐらいだったのかは定かではありません。私にとって拒食症は、体重うんぬんの問題だけではなく精神的疾患だと思っています。他の病気と同様、拒食症も病なのです。摂食障害は食べなくなれば飢え死にすると思う人もいるかと思いますが、そうではなく臓器が悲鳴をあげてしまうのです。私は娘にできる限りのことをしたつもりですが、こうなってしまった以上、娘を救うこともできず役立たずだったという気持ちにもなります。娘は元気いっぱいで、聡明で面白い子でした。でも一方で、大きな病と闘い続けていました。」

4月15日、ソフィーさん宛てに自宅に「リカバリーパック」が届けられた。そこにはハンドクリームやストレス解消ボールの他、役立つグッズが同封されてあり、ソフィーさんが亡くなった後に届いたこれらの商品を見てシャロンさんは「娘は自分なりにこの病を乗り越えようとしていたのだ」と感じたという。

シャロンさんは、北アイルランドでは摂食障害やそれに伴う精神疾患に苦しむ人々へのケアやサポート体制がじゅうぶんではないと心情を吐露する一方で、摂食障害がいかに危険であるかを他の人たちにも知って欲しいと話している。「早くに治療を行えば、娘のような結果を避けることができるかもしれない」と、国内に摂食障害患者のための施設を増やすことやメンタルヘルス患者のための緊急外来の設立を願っており、資金集めや施設スタッフとしても自主的に協力する熱意を示している。

画像は『The Sun 2018年4月16日付「MUM’S AGONY My beautiful girl died at 21 after a seven-year battle with anorexia caused by her ‘puppy fat’ obsession」(IMAGE: SHARON BRIDGES)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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