エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】草なぎ剛 『赤報隊事件』実録ドラマで迫真の演技「大切な作品になりました」

林は立ち上がって「何が言いたいのだ」と声を荒らげた。樋田は「あなたがやったとは言っていない、どうしてやったのかを犯人に聞きたいと思っているのだ」と諭しながら小尻記者の家族写真を見せた。

「先ほどのようなことを小尻記者の遺族の前で言えますか?」と迫られた林は「言えないかもしれぬ」と答えながら朝日新聞が「南京事件騒動」について修正しないことを持ち出した。

樋田は「マスコミが紙面に責任を負うべきとの意見はもっともです」と受け止めたうえで、「朝日新聞が間違っていることもあるし、激しい議論が起きることもある。しかし、立場の違いを認めずに考えの異なる者を銃で撃ち殺し、それを正義だと主張したのが赤報隊だ」と迫る。

さらに「そういう意味で、殺された小尻記者に向けられた銃弾は、自由な社会を求める私たち一人一人に向けられたものなのです。だから、ああいう暴力は絶対に認められない」と訴えた。その気迫に「国のためならばテロは許される」などと口にしていた林も沈黙するのだった。

2002年5月3日、朝日新聞阪神支社襲撃事件は時効となる。時が経ち2017年、東京で会った樋田毅と辰濃哲郎は赤報隊が用いた「反日」という言葉が社会の端々で聞かれることを嘆く。

「今は、ネットもひどいですよ。まさに憎しみの連鎖です」という辰濃に、樋田は「先日取材した右翼が“つかまらない赤報隊は俺たちに好都合だ。記事や言動しだいでは赤報隊が再び動きだすぞという無言の圧力になる”と言っていた」と話した。

赤報隊事件は時効となったが、その主張は30年かかって着実に社会に広がっているのだとすれば怖いことである。それを忘れないためにもこうしたドラマで知らせ続けなければなるまい。草なぎ剛もその意義を感じたからこそ、渾身の演技で臨み「僕にとって、また大切な作品になりました」と感慨を覚えたのだろう。

画像は『草なぎ剛 2018年1月27日付Twitter「本日、放送です!今回は、35才から65才ぐらいまで演じてます。」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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