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writer : shiina

【海外発!Breaking News】ローマ名物水飲み場、猛暑による水不足のため給水停止に

ヨーロッパを襲う猛暑は年々厳しさを増し、各地で異常気象を引き起こすなど大きな問題となっている。今年もそれは例外でなく、特に地中海沿岸の国々において深刻な影響が出始めているようだ。そうした中、イタリアの首都ローマでは猛暑による水不足のため、市内約2800か所に設置されている無料の水飲み場への給水を停止することが公表された。

ローマを旅行された方ならば、水が途切れることなく流れ出る、栓のない水道のような水飲み場が市内に点在しているのを目にしたことがあるのではないだろうか。

その形から、ローマ市民からは大きな鼻を意味する「ナゾーネ(Nasone)」の愛称で親しまれているこの水飲み場。その歴史は古く、1874年に市民へ清潔な水を提供しようと当時の市長ルイージ・ビアンチャーニ氏によって設置が先導されたことから「市長の水(L’acqua del sindaco)」とも呼ばれている。

市内約2800か所に設置されたナゾーネの多くには、ラテン語で「元老院とローマの市民」を意味する略語「SPQR(Senatus Populus Que Romanus)」と刻印されており、良質な水を市民や観光客に提供している。

今回の措置は、ローマの主要な水源の一つであるブラッチャーノ湖の大幅な水位低下を受け決議されたものであるが、ローマのシンボルの一つと言っても過言ではないナゾーネから水が出なくなることに対し、ローマ市民は批判的な姿勢を見せている。

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