ところで、そのシソンヌ長谷川から「MA-1」について学んだ福士蒼汰は1人で原宿のショップへ向かう。原宿をまともに歩くのは高校生以来というが特に混乱もなく無事に店内へ入ることができた。だがMA-1を選ぶのに「可愛い」を連発してなかなか決まらず、店員に言われるまま試着を重ねる。

ふと長谷川から「店員さんにはとりあえずカマすこと」「カモだと思われないように知識をどんどん言っていく、“A/W”（エーダブ・Autumn/Winter）とか」とレクチャーされたのを思い出した福士。店員へそのまま「今、店に置いてあるものはもう“A/W”になってくるんですか？」とドヤ顔で聞いてみた。

一瞬沈黙があり、店員から「えっと、これからは“S/S”（エスエス・Spring/Summer）ですね」と返されて撃沈した福士。その後は素直にアドバイスを聞いて最終的に気に入った「23万7600円」と「5万4000円」の2つから15分悩んで後者に決定、自腹で購入した。

そのまま着て帰ろうと「MA-1」を手にしながら店外に出たところ、僅かな時間に噂を聞いてすごい人だかりとなっていた。「キャー」と悲鳴のような歓声が飛び交うなか階段を降りながら両手を振って「うぃ～」と笑顔を見せるあたり堂々としたものである。「1人でMA-1を買う」願いを果たせたことで一回り大きくなったようだ。
（TechinsightJapan編集部　真紀和泉）