タイのバンコク近郊にあるサムットプラカーン県バーンサオトン郡で、傷だらけの3歳男児が母親に連れられて映画館に来ていた。その男児の姿を目撃した人物が写真に収めてソーシャルメディアでシェアすると、世界中から児童虐待に対する怒りの声が寄せられ大きな反響を呼んだ。

SNSの投稿が拡散されたおかげで、オート君という男児はタイの児童保護団体「Paveena Hongsakul foundation」によって救出、保護された。団体スタッフがオート君の体を調べると、背中には無数の痛々しい傷痕があり、額はへこみ、頬には深い切り傷ができていた。胸や脚にも傷があり、日常でどれほど酷い虐待を受けていたかということが一目瞭然であった。

オート君は母親に連れられて交際相手の男の家に引っ越したのだが、継父となったその男は数か月前からオート君に暴行を加え続けていたようだ。

棒やベルトで何度もオート君の背中を叩き、顔にはタバコの火を押し付けていたという。そんな虐待行為を母親は目の当たりにしていたにもかかわらず、「自分の身に危険が及ぶことを避けたかった」という理由で警察へ通報することはなかったそうだ。その後、継父や母親は普段から薬物を常用していたことが明らかになっている。

深刻な裂傷を負ったオート君だが、現在は保護下で安全に過ごしているそうだ。継父は逮捕されて拘留中という。

なお先月には米テキサス州で実の両親に40か所以上も骨折を負わされた女児が、新しい家族が見つかり幸せに暮らしていることをお伝えしたが、オート君も愛ある家庭に迎え入れられることを願わずにはいられない。

出典：http://metro.co.uk
（TechinsightJapan編集部　エリス鈴子）