スヌープ・ドッグが公開した『Lavender』のPVには、車内の人物に銃を向ける警官が登場。アメリカでたびたび話題になる“警官による暴力”を批判した映像とみられ、アメリカの暗い社会問題に焦点をあてたPVだと判断できる。

さらに赤いネクタイと特徴ある髪型の“トランプ大統領風の男”はTVニュースで「ロナルド・クランプ（Ronald Klump）」と紹介されており、急に何かで頭部を攻撃されるというシーンも。さらにPVの後半ではスヌープ・ドッグ本人がクランプの頭に向けて偽の銃を発砲。銃口から「BANG！」と書かれた旗が飛び出し、その後クランプは鎖で縛りあげられるという展開に。

これを見たトランプ大統領は、当然「けしからん」と激怒。早速Twitterを更新し、このように書き込んだ。

「もしスヌープ・ドッグがオバマ大統領に銃を向けて発砲したら、どれほど批判の声があがるか想像できますか？　懲役だな！」

これに対し、多くのファンは「本物のアナタではない。それくらいは分かりますよね？」「偽の銃で暗殺なんてできませんよ？」と大統領を批判。しかも「このツイートのおかげで、スヌープ・ドッグもPVの視聴回数を稼げますね、ありがとう」などというコメントも書き込まれており、一方で大統領擁護派からは「あのラッパーは拘留すればいい」というコメントが見受けられる。

またフロリダの議員マルコ・ルビオ氏もこのPVに触れ、こう語っている。

「この国では、過去に複数の大統領が暗殺されたんですよ。ですからあのような映像には、本当に注意が必要です。」

ただでさえ敵の多いトランプ大統領だけに、スヌープ・ドッグのPVをみて触発される者が出るのではないかと懸念しているルビオ議員。しかし「こんなPVに触発される人が出る」と心配せねばならぬほどアンチの多いトランプ氏が国のトップであることも、事実なのだ。なおこの中で「クランプ大統領」が血を流す、または死ぬというシーンはない。
（TechinsightJapan編集部　ケイ小原）