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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】ロンドンテロで殉職した警察官 一緒に写真を撮った観光客らSNSで追悼

市民の安全を守ろうと最後までテロリストと戦った警察官が殉職し、そのあまりにも残酷な人生の終わり方に多くの人は悲しみと怒りを隠せない。

キース・パーマー巡査(48歳)は3月22日、ウェストミンスターの国会議事堂の敷地内で警護にあたっていたところ、テロの実行犯であるハリド・マスード(Khalid Masood、52歳)と対峙した際に首を2回刺されて死亡したのだ。

パーマー巡査は、ロンドンメトロポリタン警察(ロンドン警視庁)で15年間勤務し、機動隊(Territorial Support Group)で活躍した後、2016年4月から警護指令部の「議会・外交的保護(Parliamentary and Diplomatic Protection)」を担当するメンバーとして警護にあたっていたという。国会議事堂の敷地内を警備していたパーマー巡査は、訪れる観光客らに気さくに接し頼まれれば一緒に写真を撮ったりもしていたそうだ。このほど、殉職したパーマー巡査と一緒に写真を撮った観光客らがSNSにその時の写真を投稿し、悲しみを露わにした。

昨年10月に家族と観光で訪れた男性は、ビッグ・ベンを背景にしてパーマー巡査と一緒に写真を撮った時のことを英紙『Express』にこのように話している。

「私たちはオーストラリアのノーザンテリトリーから来たことを彼に伝えたんです。パーマー巡査は快く写真撮影に応じてくれました。しばらく話しましたが、彼は純粋にいい人ということが分かりました。彼は『いつか家族とオーストラリアに行きたい』とも語っていました。今回のテロ事件で彼が殉職したことを知って、私は震えました。普通に職務を果たし市民を守ろうとした警察官がテロリストに無残に殺されるなんて、二度とあってはならない。彼の家族の深い悲しみを思うとやり切れません。」

また昨年、カレッジからの日帰り旅行でロンドンを訪れた学生ウィル・ロビンズさん(16歳)とタイラー・チャッタレイ=ラッセルさん(16歳)もパーマー巡査と記念撮影をした思い出がある。2人が投稿した写真には、パーマー巡査を挟んでちょっとおどけた表情のタイラーさんと微笑むウィルさんが写っている。撮影前に「君らは面白い顔をしたらどうだ」と提案したのはパーマー巡査だったそうだ。「彼と少し話をしたのですが、プロの警察官としての厳格さも見せながらも観光客にはとても親切でした。事件を知ってただ悲しいしひどいと思うばかりです」と述べている。

そしてパーマー巡査の元同僚であるニーナさんは現役だった2007年に車の事故に遭い、その時にパーマー巡査に命を救ってもらったことを明かした。『LBC Radio』のインタビューでは「彼は私の命の恩人なんです。私は彼のことをよく知っていますが、面白くて面倒見が良くて、家庭思いの素晴らしい人でした。誰でも亡くなった人には『あの人はいい人でした』って言いますが、彼は本当にその言葉通りの人だったんです。警察官として心から市民のことを気にかけていました」と涙ながらに話した。

さらにパーマー巡査が警察官になる前、英国陸軍砲兵隊であった時からの25年来の友人でもある保守党議員のジェイムズ・クレバリー氏も、涙で言葉を詰まらせながら「彼は強くて責任感のある人でした。数か月前に会った時にはその再会を喜んでいたんです。彼の勇気に敬意を表し、残された彼の家族を思っています」と語った。

職務に対する責任感と正義感の強かったパーマー巡査は、警察官として以上に人として周りから愛され親しまれていたようだ。

現在、パーマー巡査の家族のためにオンライン募金サイト「JustGiving」と「GoFundMe」にアカウントが設定され、“真のヒーロー”の死を惜しむ多くの人たちから寄付が集まっているという。

出典:http://www.express.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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