海外発!Breaking News

writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】末期がんと偽り克服本まで出版 嘘を重ね大金を得た女ブロガー(豪)

ベル・ギブソンが自分を偽り世間を騙そうと思い立ったのは2009年、18歳のことだった。脳のがんで余命4か月だと自身のフェイスブックやインスタグラムに書き込んだギブソンは「ヘルシーな食生活やセラピーでがんを克服した」と更なる嘘を重ね、「The Whole Pantry」という著書を出版、同名のアプリまで作成したことでSNSで認知度を上げた。

ギブソンはがんを克服した理由としてインドの伝統医学である「アーユルヴェーダ」や酸素セラピーを試したり、グルテンやシュガーフリーの健康的で栄養のある食生活に変えたことを挙げていた。しかし、そのどれもが真っ赤な嘘であった。

メディアでも知られるところとなったギブソンが、真の素性を明かされるまでにそう時間はかからなかった。2015年に雑誌のインタビューで、ギブソンは「がんになどなったことはない」と自分の嘘を認めたのだ。

この嘘がきっかけで、昨年6月に「Consumer Affairs Victoria(ヴィクトリア消費者問題)」は、ギブソンと彼女の会社「Inkerman Road Nominees」を民事訴訟に持ち込んだ。これまでにメディアやSNSを通して、ギブソンや彼女の会社は著書の印税やアプリからなど莫大な収益を得ている。その金額は420,000オーストラリアドル(約3,560万円)にも上っており、ギブソンは複数の慈善団体に寄付する旨を公表していた。しかしほとんどの慈善団体はギブソンからの寄付を得ておらず、わずか10,000オーストラリアドル(約85万円)のみが寄付されただけだった。

自分を病気と偽っただけでなく、慈善団体にも嘘をつき社会を欺いたギブソンは「なぜ寄付しなかったのかと聞かれても答えなんてないわ。答えなければいけないのなら、適当に答えを見つけるしかないわね」と全く反省の色を見せていないという。

今年3月15日、メルボルンの連邦裁判所でデビー・モーティマー判事は「誤解を招いた詐欺的行為」としてギブソンに有罪判決を下した。この日出廷しなかったギブソンに対して、判事は「がんと偽り社会を欺いたのは不合理以外の何ものでもないが、被告は自分の健康状態に対して妄想癖があった可能性もある。しかしながら被告を信じていた福祉関係者や情緒不安定な子供たちへの嘘は許し難い」と述べた。

今後、裁判の日が確定されればギブソンには220,000オーストラリアドル(約1,900万円)、そして現在清算手続き中の会社には1,100,000オーストラリアドル(約9,300万円)の罰金支払い命令が下される可能性がある。

この事実を知った人たちは「社会を欺いて私腹を肥やしたあんな女、実刑で十分だ」「がんになったなんて嘘をつかないで。本当にがんと闘っている人たちに失礼よ」「ホスピスで余命僅かのがん患者を実際に見ればいい。罰金よりもそこで社会奉仕させれば自分がついた嘘がどれほど残酷なものかってことがわかるはず」「本当にこの女を信じて、治療をやめてしまった人たちもいるわけでしょ。あまりにも酷すぎる」「私はステージ4のがんになって闘病した経験があるけれど、がんになるというのは自分の人生が変わるということなんだ。心ない女は刑務所へ入れるべき」など、ギブソンへ激しい批判の声をあげている。

出典:http://www.standard.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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