エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】メイプル超合金、子ども相手に漫才 「全く寄せず」にやり通す

11月4日放送の『金曜ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)は“子供に大ウケ-1グランプリ”と題して「ブレイク芸人軍」のトレンディエンジェル、永野、メイプル超合金、出川哲朗に対し「チョイふる芸人軍」のレイザーラモンHG、とにかく明るい安村、スギちゃん、小島よしおがそれぞれのネタを競い合った。「観客」は子どもだけにシンプルなネタがウケやすいことは想像がつく。その点で一発ギャグのあるHG、永野、安村、スギちゃんそして小島よしおが有利に思われた。

一番手となったトレンディエンジェルからは斎藤司が「子どもはカレーとハンバーグとおハゲが大好き」と自信満々で、ネタも「キスがしてみたい」と好奇心をくすぐったり「ポケモン」の話題で子どもの関心を引く。なにより「斎藤さんだぞっ」と「ペッペッペー!」などのネタは子どもたちの間にも浸透していて大ウケだった。結果トレンディエンジェルのネタを「面白かった」と判断したのは100人中92人といきなりの高得点を叩き出した。その後もレイザーラモンHGは「子どもはお尻が好きなので腰ふり芸がウケるはず」と81人に支持されるなど「子どもウケ」という考えが頭から離れない。

そんななかメイプル超合金の順番が回ってきた。コメンテーターの後藤輝基(フットボールアワー)は「メイプルは“しゃべり”(が売り)だから(子ども相手は)かなり不利では」と懸念した。トレンディエンジェルも漫才だが「斎藤さんだぞっ」「ペッペッペー!」に加え子どもウケするネタで笑いをとっている。ところがカズレーザーは「(子どもには)全く寄せてないですね!」と明るく言い切り「ハートだけは強く持って、やり切ろうと思う」というではないか。

メイプル超合金が登場すると少なからず歓声は起きたものの、カズレーザーが繰り出す「レッドブルで頭洗ったらこんな色になった」など“子どもに寄せないネタ”にポカンとする顔が目立ち始めた。「犬を飼ってることを自治体に届けると支給金がもらえる。これは区役所に働く友達から本当に聞いた作り話!」という内容や、彼が「コンビニに行くけどなんかいる?」と舞台裏に消えていくのを安藤なつが「漫才中だぞ、行くんじゃねえよ!」と怒ったりメイプルらしい掛け合いが続く。「おい見ろよっ、壁の裏にお札(ふだ)いっぱい貼ってあるぞ」の意味が子どもたちに分かるだろうか。

「僕がまだ駆け出しのプリキュアだったころは上下関係があった」と子どもが知っていそうなキャラクター名も飛び出したものの笑いにはつながらず、鉄板の「ここ、Wi-Fi飛んでるな!」「見えんのかい!?」も不発に終わり、締めの「手応えあり!」「ブパパブパパブパパー」でさえほとんどウケなかった。

ところが他の芸人たちは子どもたちの様子を真剣に分析していた。大笑いはしないがくすっとした笑顔は少なくない。カズレーザーはネタを終えて「途中で、水を打ったような静けさがありましたね」と苦笑していたが、判定は「面白かった」が73人でまずまずの結果だ。どこが面白かったかを問われ「2人で怒りあっていたところ」と答えた女子に「ちゃんと話の内容も理解できて面白かった?」と確認すると「はい」とうなずく。それを聞いてフット後藤は「漫才の概念そのものを褒めた」と唸った。男子も「どっか行くところが面白かった」と話しており、カズレーザーがコンビニに行くと消える場面もちゃんとウケていたのだ。

ちなみに永野は子どもウケを狙った「くまさん」コールで大盛り上がりとなったが42人にしか支持されず、他の芸人たちも「盛り上がって楽しいのと面白いのは違うんだ」と学んだようだ。とにかく明るい安村は知名度と「運動会」「遠足」「卒業式」など学校ネタがウケて88人だったが、『イッテQ』で人気の出川哲朗でさえ「鼻ザリガニ」で大ウケしながら78人どまりとなる。この時も芸人たちは「楽しいのと面白いは違う」と考え込んだ。

総合でブレイク芸人軍“285点”、チョイふる芸人軍“304点”となり、「チョイふる芸人も力を持っている」という評価が下され「業界の方は偏見を捨て、この結果を参考に」と呼びかけて番組は終わった。実はそれ以上に、“子どもと言えど漫才の面白さは理解しており、一発ギャグばかりの同じパターンでは心から笑えない”と知ることができた貴重な内容だったのではないか。

出典:https://www.instagram.com/kazlaser
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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