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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】難病で失明してしまう娘へ「バケット・リスト」を作成し続ける母(米)

愛する我が子の目からもうすぐ光が奪われる…そんな宣告を受ければ、親はどれほどショックを受けるだろうか。米アリゾナ州フェニックス在住のカトリーナ・フロストさんの娘も「将来、失明する可能性が高い」と宣告された。当時のカトリーナさんは「感情がまるでジェットコースターのようになった」という。

カトリーナさんが我が子の目の異常に気付いたのは、ケイリーちゃんが生後半年の頃だったという。写真を撮るたびに焦点が定まらない娘を心配し、病院へ連れて行くと「近視」と言われた。それでもセカンド・オピニオンを求めて別の病院で検査を受けたところ、遺伝子疾患である「家族性滲出性硝子体網膜症」(familial exudative vitreoretinopathy : FEVR)と診断された。

「将来は網膜剥離を起こして失明する可能性が高い。」

カトリーナさんがそう宣告されたのはケイリーちゃんが2歳の時だった。3歳には杖のつき方をマスターし、4歳には点字を習得した。そして現在6歳になるケイリーちゃんは、視力が奪われる前にやっておきたいことをリストアップした「バケット・リスト」から様々なことを体験中だ。

実はカトリーナさんには8年前に失明した友人がおり、娘がいずれ視力を失うことを相談していた。すると友人は「見えていた時のことをはっきりと覚えているから、見えなくなっても鮮やかに思い描くことができる」と話したそう。その言葉にハッとさせられたカトリーナさんは、できるだけケイリーちゃんの目が見えるうちに様々なことを経験させてあげたいとバケット・リストを作ることを思いついた。

サンディエゴの海や砂丘、ケイリーちゃんの大好きなディズニーランドにも行き、ディズニープリンセスとの写真も撮った。ハイキングやロッククライミング、乗馬にもチャレンジした。ケイリーちゃんのバケット・リストはまだまだ続いている。今後も料理教室や絵画教室、ニューメキシコでの気球フェスティバルなどに参加する予定だという。

ケイリーちゃんのバケット・リストのために、家族はオンライン募金サイト「GoFundMe」で支援を募っている。すでに7,830ドル(約80万円)が集まっており、「ケイリーちゃんの夢を実現させてあげて」と温かいメッセージも寄せられている。

「失明しても、娘には幸せでポジティブに生きてほしい。自立した女性になってもらいたい」と語るカトリーナさんは、ケイリーちゃんが3歳の時に「ママ、女の子はタフなんだよ」と発した言葉が忘れられないという。

この先、もしケイリーちゃんが光を失ったとしても、バケット・リストのたくさんの経験は彼女の心の中に鮮やかに残り続けることだろう。そしてケイリーちゃんが成長した時には、その思い出は家族や支援をしてくれている人たちの愛で包まれていることにも気付くに違いない。

出典:http://www.nydailynews.com
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)