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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】原因不明の「ジカ熱」発症、フロリダ南部で4例 流行地域から蚊が北上か

『リオ五輪』もいよいよ近づいてきた中、非常に心配されているのが昨年ブラジルから流行し始めた「ジカ熱」である。中南米を中心に各地に流行が拡大しているが、米フロリダ州では海外旅行や性行為が関連しない発症例が確認され、専門家の間に警戒感が広がっている。

ジカ熱の感染はなんといってもジカウイルスの流行地域で蚊に刺されること。そして性行為が原因といわれてきた。男性の精液にウイルスが長く潜むことがわかっており、そうした地域から帰国した男性との性行為には2か月間ほどコンドームを使用することが勧められている。

そんな中、フロリダ州の保健当局から気になる症例報告があったことを英メディア『bbc.com』が伝えている。フロリダ半島最南端のマイアミデイド郡とそのすぐ北側のブロワード郡にてジカ熱を発症した4例について、流行地域への渡航や感染者との性行為が否定されたためだ。当局は「結論を急ぐことは避けるが、ジカウイルスを媒介する蚊がフロリダに渡ってきたと考えることが自然であろう。発症者それぞれについて半径150ヤード(137メートル)で過ごしている人、家屋、昆虫ほかを徹底的に調査する」と説明している。フロリダ州ばかりではない。ユタ州では先週、余命間もない老人の介護者がジカ熱を発症し、旅行や性行為と無縁であったその老人からウイルスが検出されて関係者を慌てさせていた。

ジカ熱の潜伏期は2日~2週間ほどで、健康な成人ではほとんど症状を訴えない。発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、胃腸炎、赤い発疹、結膜炎などを呈する例もあるが、死に至る例はまれである。妊娠中の女性が感染すると頭部が小さく知的障害や発達不全が生じる「小頭症」を伴った赤ちゃんが誕生する可能性があるほか、新生児のうちに死亡する重症例もある。最後に厚生省労働省HPによる「ジカウイルス感染症の流行地域(2016年7月29日更新)」を紹介しておきたい。

<中南米・カリブ海地域>
アンギラ、アルゼンチン、アルバ、バルバドス、ベリーズ、ボリビア、ボネール、ブラジル、コロンビア、プエルトリコ、コスタリカ、キューバ、キュラソー島、ドミニカ国、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、仏領ギアナ、グレナダ、グアドループ、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ジャマイカ、マルティニーク、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、 サバ島、サン・バルテルミー島、セントルシア、セント・マーティン島(仏領サン・マルタン及び蘭領シント・マールテン)、セントビンセント及びグレナディーン諸島、シント・ユースタティウス島、 スリナム、トリニダード・トバゴ、米領バージン諸島、ベネズエラ

<オセアニア太平洋諸島>
米領サモア、フィジー、ミクロネシア連邦コスラエ州、マーシャル諸島、ニューカレドニア、パプアニューギニア、サモア、トンガ

<アフリカ>
カーボベルデ

<アジア地域>
インドネシア、タイ、フィリピン

出典:https://www.statnews.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)