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writer : ac

【海外発!Breaking News】動物実験の末、西アフリカの島に捨てられたチンパンジー 突然の訪問者にハグ

米ニューヨークを拠点とする「ニューヨーク血液センター(New York Blood Center)」が1974年にスタートしたチンパンジーを使った動物実験。約200頭が実験に使われ、西アフリカ・リベリア南部の小さな島々に放たれたが、2005年に施設は閉鎖。2015年3月には資金援助が完全に打ち切られ、チンパンジーは島に取り残された。

ポンソ(推定40歳)がリベリア南部の「猿の島」にやってきたのは1983年。群れの20頭のほとんどが7歳から11歳の若さで捕獲された野生のチンパンジーで、肝炎など人為的に感染させられ、ワクチン開発の実験材料として使われた。首にはチェーンが付けられ、生検、麻酔を使った実験が幾度となく行われた末、実験が終わると猿の島に放たれた。ポンソの群れの仲間11頭は飢えや病気で数か月たつと死んでしまい、残った9頭にポンソの家族のクレシア、娘のミミ、息子のパプも含まれていたが、2013年に立て続けに亡くなりポンソはひとりぼっちになってしまった。

ポンソが頼りにしているのは、バナナやパンなどの食料と水を持って来てくれる近くの村に住むジャーメインさんだけ。この島には自然に採れる食料や真水がないため、人の世話にならないと生きていけない。

そんなポンソのもとに今年1月、チンパンジー保護センターの理事エステル・ラバランド(Estelle Raballand)さんがやってきた。ポンソはラバランドさんをみると駆け寄って嬉しそうに微笑み、大きな手を広げてハグしてきたそうだ。

人間の実験に使われ、用無しになると捨てられたポンソ。ワクチンを製造したニューヨーク血液センターは莫大な利益を得ながらも、今後の方針をめぐりリベリア政府との交渉決裂や出費がかさむことなどを理由に昨年、66頭のチンパンジーへの援助を打ち切った。取り残されたチンパンジーは「アメリカ動物愛護協会(Humane Society of the United States)」や「SOS PONSO」などのチャリティ団体が支援している。

出典:https://www.facebook.com/estelle.raballand.1
(TechinsightJapan編集部 A.C.)