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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】96歳退役軍人、31年続けた職場でレイオフを拒否(米)

「レイオフですか。いやいや、私はまだ働きたい」。そう言ってメンテナンスの仕事のレイオフに抵抗し続けてきた、なんとも気骨の入った退役軍人が米ニュージャージー州にいた。すでに90代後半にもなっているサルバトーレ・デサントさん。彼は「健康なうちはやはり夢中になって仕事をしていたい」と切望してやまない。

『courierpostonline.com』がこのほど紹介したニュージャージー州カムデン郡在住のサルバトーレ・デサントさん。彼は御年96歳の元陸軍2等軍曹である。若い人々がいつまでも眠っていたいと考えてしまう中、早起きして玄関ポーチに星条旗を掲げるのが毎日の日課だ。第二次世界大戦では陸軍本部中隊で通信回線の設置や修理にあたっており、「体力と気力では誰にも負けない自信がある」と語る。

サルバトーレさんは、同郡リンデンウォルドの「ジョージタウン・コンドミニアム」というマンションで31年にわたりメンテナンス要員のパートタイマーとして仕事にあたってきたが、今年6月にレイオフを通告されてしまった。失業者も多い米国とあって、多くの高齢者が“老兵は去るのみ” などと言いながら仕事の継続を諦めて年金オンリーの生活に入るところであろうが、サルバトーレさんは「芝生も刈るし、バンの運転だってまだできます。私はとにかく働きたい。ソファに座ってばかりの生活など嫌なのです」と陳情し続けた。いったんは諦めてホームデポなどに仕事を求めてみたが、ことごとくノーという悲しい返事であったという。

実はサルバトーレさん、51歳の娘の夫が死亡した際にはしばらく経済支援を行っており、この時に仕事を持つことの意義、重要性を痛感したという。そしてもうひとつが自身の人生のプライドともいえる軍服であった。「軍人であった頃にこしらえた軍服がいまだ自分の体にフィットしているのは、仕事をしているおかげです。いつまでも背筋をピンとさせ、この軍服の似合う人間でありたいと思います」とサルバトーレさん。自分の所属した軍隊の武勇伝を語り始めたら止まらない根っからの軍人である。

このような状況で仕事を奪うと、時には一気にボケてしまう人もいる。とはいえ体力的な衰えに無理に逆らうことは絶対に勧められない。彼のような超高齢者は、これからの日本でもますます増えることであろう。余暇に心底打ち込めるものを何かしら、できれば若いうちから見つけておきたいものである。

※ 画像はcourierpostonline.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)