海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】「加工肉、赤身の肉でがん増加」とWHO警鐘も、英国人はどこ吹く風。

26日、世界保健機関(WHO)が世界に向けて大きなトピックを放った。発がん性に関してかねてからグレーだと言われてきた加工肉(ベーコン、ソーセージ、ハム、サラミ、コンビーフ、ビーフジャーキーなど)、そして脂肪が少ないと愛されてきた赤身の肉について、はっきりと「大腸がんを引き起こす発がん性」を指摘したのだ。毎日の食卓にそれらは欠かせないという英国の人々は、このニュースにどのような反応を示しているのであろうか。

世界保健機関(WHO)はこのほど、国際がん研究機関(IARC)の報告をもとに「加工肉を毎日50g食べた場合、大腸がんにかかる確率が18%上昇する」と発表した。加工肉とは燻製にしたり塩、調味料、フレーバーで味を付け、酸化防止剤、保存料などを添加することで長持ちさせている。そうした添加物もさることながら、肉や魚の焼け焦げには発がん物質が含まれていることがすでに確認されており、高熱でこんがり焼き色を付けて食べるその調理方法も良くないという。

また赤身の肉(牛・豚・ラムなど)についても「まだ限られた証拠しか得られていないが、毎日100gを食べ続けると発がんリスクが17%増加することがわかってきた」といい、大腸がんのほか膵臓がんや前立腺がんにも関与している可能性があるという。鉄分、タンパク質、亜鉛、ビタミンBなど栄養が豊富な赤身の肉や加工肉を完全に絶つことは難しいが、「今後はその摂取量を控えるなどの心がけが必要になる」と世界中の人々に警鐘を鳴らしたWHOであった。

気になるのは、毎日の食卓にベーコンやソーセージが並ぶ国の人々である。朝食にベーコンが欠かせず、「二日酔い対策にはベーコン」と信じる人がいるイギリス。人々からの照会が続出することが予想される英国のがん研究機関「Cancer Research UK」は、“それを絶ちなさいとは言っていません。ベーコンサンドをたまに食べるくらい害はありません。要は何でもほどほどにと心がけることです”と無難な表現に徹しているもよう。国民が長く愛してきた美味しい食材と、それを生産する大変な数の食肉加工業者のことを思えば仕方がないのかもしれない。そこで英メディア『dailystar.co.uk』はこんな街角の声を拾ってみたもようだ。

■エミリー・ホークスフォードさん(24) 「ベーコンを食べるのは絶対にやめないわ。本当に美味しいんだもの。ベーコン大好き!」

■キャット・バトリーさん(27) 「そんな数字に脅かされてベーコンをやめられると思う? 無理よ。これからだって食べ続けるわ。優れたタンパク質を摂るためにもね。」

■ジョナサン・ハードさん(建設作業員=44) 「なんでも適量なら大丈夫ってことだろう? そんなことを聞いたくらいで長年の食習慣を変えるわけにはいかないな。誰だってちょっとでもいいからベーコンが食べたいんだ。違うかい?」

■ジェームズ・ヒルさん(42) 「僕はこれからもベーコンサンドイッチを食べるつもりだよ。だって二日酔いの一番の治療はこれを食べることなんだから。」

またイギリスでは、主に日曜日に作られるプレートメニュー「サンデーロースト」がそれは愛されてきた。ローストされた肉(牛、豚、ラムなど)にジャガイモ、ヨークシャー・プディング、野菜の盛り合わせを添えてグレイビーソースで頂くものだが、これもWHOのダメ出しがあったことに人々からはこのような反応があったという。

■ダレン・バンガードさん(測量士=24) 「そんな情報に踊らされるのはごめんだな。時々はベーコンを食べたいし、朝食には赤身の肉も食べる…自分ではそれでいいと思っているよ。」

■メラニー・ピアソン=ライトさん(28) 「今後も赤身の肉を食べるつもりよ。バランスのとれた食事によるダイエットが大事だもの。鉄分を摂取するためにも肉はやはり素晴らしい食品だわ。」

以上である。『dailystar.co.uk』のインタビューに答えた人々に限らず、肥満を恐れず食生活がまるで“ブレない”英国人にとってWHOの警告は「馬の耳に念仏」であったのかもしれない。ただし統計的に加工肉が好きな人々はアルコールをよくたしなみ、その中に愛煙家が多いこともわかっている。悪者は赤味の肉や加工肉だけではないのだ。またそれに加えて肥満もある場合には、それこそ高率でがんが忍び寄って来る危険性を自覚しなければならないであろう。また専門家は異口同音に、「大腸がんを防ぐ上では果物、野菜、食物繊維の豊富な食生活を心がけ、適度な運動を習慣づける努力も必要」と解説している。

※ 画像はdailystar.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)