エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】又吉直樹『火花』を堤真一が朗読。「泣いて読めない」と思った場面も。

又吉直樹による第153回芥川賞受賞作品『火花』が、俳優・堤真一による朗読CDとなって発売することが決定した。自作が朗読CDとなる話を受けて、又吉がダメもとで堤真一を希望したところ快諾されて驚いたという。彼が堤を選んだのは「ヘタなこと言うたら怒られるな」と感じたからだ。

小説『火花』は、現段階での発行部数が239万部に達し、芥川賞受賞作品としての単行本発行部数が歴代1位となるなど、いまだ勢いは衰えていない。堤真一は芥川賞や直木賞の受賞作品は読むようにしており、『火花』を本屋で探したがどこも売り切れていたそうだ。「探しててこんなに手に入らないのは初めてで、すごいなと思っていたところに話を頂いたので、是非やりたいと思いました」と明かす。

又吉直樹は朗読CDの制作にあたり、「自分が下手なので」と候補に挙げたのが堤真一だった。「お受けしていただけないと思いながらも、第一希望としてお願いしたらまさかのお引き受けいただけるということで驚きました」という又吉。映画などでその演技を観て「鬼気迫るというか重厚感のあるという意味での怖さを感じる」と、『火花』に登場する2人の中にある“ヘタなこと言うたら怒られるな”ということを感じさせてくれるような「僕が怖いと思う人」として堤が浮かんだらしい。

『火花』を朗読した堤は「最後の漫才の部分は特に、泣いて読めないかもしれないなと思いました。でも監督には、楽しんでくださいと言われたので、楽しんでやるようにしました」と感想を述べており、収録を聴いた又吉は「いい声ですね」と満足そうだ。ニヤリとしたことについて問われると「面白いですね。徳永って真剣に物事を考えている人なんで、(地の文を読んでいる時の)堤さんの切実な声のときにすごく面白みを感じます」と語った。

こうしてお互いが引き合うように実現した『火花』の朗読CD(原作・又吉直樹/朗読・堤真一)は11月11日(水)に発売される。文字とは違った感動がありそうで楽しみだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)