エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】<ダイノジ インタビュー>活動20周年「エアギター優勝を活かせなかった」。記念公演はキンコン・西野脚本のコメディ。チケット手売りのワケとは?

お笑いコンビ・ダイノジ(大地洋輔・大谷ノブ彦)が1994年にコンビを結成してから昨秋に満20年を迎えた。20周年記念公演のコメディが今年8月20日から上演されるが、そこには意外な“敵”が潜んでいるという。チケット手売りも厭わないワケについても語ってもらった。

■ウケないのは客のせいにしたデビューの頃。稽古はすごい!
――20周年おめでとうございます。活動開始した頃のおふたりはどのような感じでしたか?
大谷:あの頃の芸人はみんなトガっていましたが、その中でも自意識が一番高い芸人でしたね。半年でポルシェに乗っていると思ってましたね。
大地:俺もレギュラー番組とか冠番組とかすぐに出来ると思ってたな(笑)。
大谷:俺たちイケてるよなって(2人とも爆笑)。でも現実は「こんなウケないものか」って。そこからずっとウケない期間が1年半か2年ぐらいあったかな。芸ごとを舐めてましたね。
大地:笑わないのはお客さんが悪いみたいな。

――そのような状態が変わったのは何かきっかけがあったのですか?
大谷:すごい象徴的なのは、俺が失恋したときに、大地さんに「稽古するぞ!」って。銀座7丁目劇場の屋上が朝10時に開くんですよ。缶コーヒーとタバコを持って、夜10時ぐらいまでずっと稽古してましたね。当時1分とか2分しかネタを披露できないんですけど、15分ぐらいのものを最初に作って、そこから(1分にするために)無駄なものをそぎ落として、何回もやってテンポは超速くなって(笑)。それをやったら、すっごいウケるんですよ。びっくりして。
大地:練習ってすげえんだなって。(2人で爆笑)
大谷:それからはテンポや間がつかめてきて。劇場ではずっといい感じにウケてましたねー。

エアギターで2年連続優勝した大地洋輔

■エアギターには後悔も。DJは又吉の小説みたいなもの。
――大地さんと言えば、「世界エア・ギター選手権」で優勝されましたよね。
大谷:エアギター(の優勝)はうまく活かせなくて。世界一になったのに売れなかったのって、我々だけじゃないですか? 世界一ってもっと価値ありますよね。
大地:しかも2006年・2007年と2年連続優勝しているんですよね。今は、ステージで大谷さんがDJをやって、僕がエアギターというか、にぎやかしみたいな感じでやることが多いですね。
大谷:DJも10年前に始めてやったときにはよく悪口言われたんですけど、今は(お笑い以外にDJをやることについて)「ピースの又吉くんの小説みたいなもんです」って言えば済むんで。超、楽ですよ。又吉さまさまですね。

DJ活動も順調な大谷ノブ彦

■20周年記念公演はずっとやりたかった喜劇を、キンコン・西野の脚本で。
8月18日から23日まで東京・草月ホールで上演される『テイラー・バートン~奪われた秘宝~』は、キングコング・西野亮廣脚本のコメディを、演出・キャストを替えた4チームで上演する。上演回によってチームが替わるがダイノジが出演するのは、8月20日から22日の計3公演となる。

――こちら面白い企画ですよね。4チームが同じ脚本を演じられるということですが、どのようないきさつがあったのですか。
大谷:ずっと喜劇をやりたくて、吉本には新喜劇があって、それは確立されていて素晴らしいんですけど、(自分は)東京の軽演劇をやりたかったんですよね。それに一番近いものを書いていたのがキングコングの西野くんで。西野くんにお願いして、上演が決まったんですが、(舞台の)セットにお金がかかるということで。セットはそのままで毎日違うキャストでやればお金は安く済みますよ―ということで、それは素晴らしいと。

――その西野さんの脚本は読んでみていかがでしたか?
大谷:もうバッチシ! すっごい楽しい面白い。
大地:ワクワクしますねー。これをやるんだと。
大谷:西野くんが憧れていた後藤ひろひとさんという方がいて、元は「遊気舎」というところで台本を書いていて、その後に「Piper」(という演劇集団)で吉本に来たんですよ。僕らがデビューした頃に一番観に行っていた劇団のひとつでしたね。その後藤さんと、あとは三谷幸喜さんの作品に西野くんが感化されて。ああいうスタイルのコメディがやりたいと思っていたんで、世界観から何からバッチシでしたね。バリバリのシチュエーションコメディです。

■稽古に潜んだ意外な敵。チケット手売りの真意とは。
――稽古はどのような感じになりそうですか。
大谷:大地がみんなが集まるときに必ず遅れてくるんですよ。早く着いたときは身を隠していて“大地がいないと始まらないよ”的な空気を作るんです。コンパのときなんかもそうです。
大地:そう言われてみればそうかもな。「すみません、すみません」ってニヤニヤしながら現場に入っていく感じ。そういうの好きかも(笑)。
大谷:誰も求めていない遅刻をやるんで。それが稽古においては、一番のライバルですね。(今回の舞台で共演する)山田菜々ちゃんにも、自分が来ないと始まらないと思ってもらっていると大地は考えているんですよ。それに菜々ちゃんに会うときは大地は香水をつけるんです。テレビ局とアイドルに会うときは絶対に香水つけるんで。稽古の間は大地の香水の匂いとも戦わないと。

――今回のチケットは手売りもすると聞きましたが。
大谷:はい。ツイッターで出没情報入れたりして、声をかけてくれれば売るようにしています。チケットは常に持ち歩いていますよ。これも西野に影響を受けたんですが。西野がずっとこれをやってるんですよ。
大地:昔は、芸人が自ら売るのはカッコ悪いなと思っていた自分がいましたけどね。大谷さんに言われたのが、手売りしたら買ってくれた人はそこから楽しみが始まるってことですね。来てくれる人の顔が見えるし。そういうのいいなと思いまして。
大谷:カッコ悪いとかそういう自意識はまったく要らないと思うんですよね。今、クリスマスよりハロウィンが流行っているじゃないですか。あれ、自分が仮装して参加できるからですよね。イベントとかライブって能動的に参加したいという気持ちを満たすっていうのが求められてますよね。(手売りだったら)チケットを買うというところから(観に来る人は)スタートになるんで。これからそういうのがスタンダードになると思いますよ。

――最後に舞台への意気込みをお聞かせください。
大地:こういう喜劇をやること自体初めてに近いんで、頑張っている43歳を観に来てください!
大谷:とにかく大地さんの遅刻をね、いかに止めるかそれだけがテーマですね。あと当日は大地さんは香水もプンプンさせてますから。匂いを嗅ぎに来てください。(大地、大爆笑)

20周年記念公演ではコメディを。ダイノジ

■ダイノジ活動20周年記念公演「テイラー・バートン~奪われた秘宝~」
日時:2015年8月18日(火)~23日(日)
会場:東京・草月ホール
料金:前売4500円 当日5000円

・グランジPRESENTS
日時:2015年8月18日(火)18:30開場 19:00開演
演出:角田陽一郎
出演者:グランジ / 鬼ヶ島アイアム野田 / 怪獣坂口真弓

・ブロードキャスト!!PRESENTS
日時:2015年8月19日(水)18:30開場 19:00開演
演出:山口トンボ
出演者:ブロードキャスト!! / 森公平 / さらば青春の光・森田 / 南まりか

・ダイノジPRESENTS
日時:
2015年8月20日(木)、21日(金)18:30開場 19:00開演
2015年8月22日(土)12:30開場 13:00開演
演出:川尻恵太
出演者:ダイノジ / 与座よしあき / 伊勢大貴/ 山田菜々

・ナイスなやつらPRESENTS
日時:
2015年8月22日(土)18:00開場 18:30開演
2015年8月23日(日)17:30開場 18:00開演
演出:キングコング西野
出演者:NON STYLE石田 / キングコング西野 / とろサーモン久保田 / エハラマサヒロ/ 山田菜々
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

【エンタがビタミン♪】<ダイノジ インタビュー>活動20周年「エアギター優勝を活かせなかった」。記念公演はキンコン・西野脚本のコメディ。チケット手売りのワケとは?