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writer : ume

【エンタがビタミン♪】<蒼井優インタビュー>“結構いい男”スティッチと初共演。ロボット役は「口が動かない分楽」。将来は「現場にいる人たちを安心、興奮させたい」

今年の上半期ドラマ『Dr.倫太郎』にて解離性同一性障害の役柄に扮し、目つき一つでガラリと別人に変わる演技が話題を呼んだ女優・蒼井優。難しい役ほど蒼井優の中に潜む女優魂に火をつけるのか、観るものを虜にする。そんな蒼井が今回挑戦したのは、自身が惚れる「いい男」というディズニーの人気キャラクターとの共演だ。蒼井の内に秘める魅力を探るべく、本人をテックインサイト編集部が直撃した。

■女の子のロボットは初めて。家では録音もして練習した。
―今回ディズニーキャラクターのスティッチと共演する中で「ティーラ」というロボットのキャラクターを演じられていますが、役作りにおいてこだわった点をお聞かせ下さい。
蒼井:女の子のロボット役をやるのは初めてだったので、どんな声なんだろうと想像して色々家で録音してやってみたりしたんです。でも、現場に入ってみたら“ロボットっぽくない声、人間っぽい声で”と言われ、声も女の子だから高い声なのかなと思っていたら“低い声で”と言われて、自分の想像力のなさにがっかりしましたね(笑)。

「口が動かない分楽でした」蒼井優

■ロボットは口を動かさなくていいので楽。
―表情にパターンがない中、ご自身が想像していたものと違うキャラクターに命を吹き込む作業は大変だったと思います。表情で表現できる部分がなくなるという上での難しさはありましたか? また今回演じて一番印象深いシーンを教えて下さい。
蒼井:口が動かない分楽でしたね(笑)。「ティーラ」は最初“オハナ(ハワイの言葉で家族の意)”というものを知らないロボットとして現れ、時間が経つにつれてちょっとずつ声が変わっていくように自然となったと思います。一番最後のシーンを撮る時に、一番最初のシーンを見直して同じトーンでやるというのが面白い作業でしたね。

■5時間しか演じられず寂しかった。
―「ティーラ」を演じてみた感想をお聞かせ下さい。
蒼井:声優の仕事って今回なら5時間しかその役を演じられなくて、あっという間に終わってしまったので寂しかったです。緊張したまま終わっちゃったなって感じです。

「自分が安心させたり興奮させたりする立場になりたい」蒼井優

■安心させたり興奮させたり、今まで見てきた先輩みたいになるのが夢。
―8月17日の誕生日に30歳を迎えられます。30歳を前に今後仕事に対してどの様に取り組んでいきたいか、また挑戦してみたいことがあればお聞かせ下さい。
蒼井:頂いた役のセリフをどういう風にやるのが今自分ができるベストなのだろうか?と考えるところに面白さがあると思っています。今までは自分が安心させてもらったり、興奮させてもらったりする立場だったのですが、もしこの仕事を続けられるのであれば、自分が相手の役者さんだけでなく、現場も含めてそういうことを人に体験させてあげられるような、自分が今まで見てきた先輩みたいな人間になるのが夢です。

■ドラマ『Dr.倫太郎』ではみんなが“オハナ”
―今回家族や友情がテーマだったりするのですが、蒼井さんにとっての“オハナ”の大切さを教えて頂けますか?
蒼井:この間のドラマ(『Dr.倫太郎』)の打ち上げで改めて感じました。ドラマの現場は“オハナ”だらけなので。現場で一緒の方全部が“オハナ”と思いたいですが、そうでもなかったりもします(笑)。やっぱり人と人は何でもかんでもガシっとうまくいくわけではないので。でも、色々な“オハナ”の形はあると思います。そうそう全体で“オハナ”になれることがない中で、この間のドラマではみんなで“オハナ”になっていたから撮影中も幸せでした。

「自分の声が必要とされるレベルになりたい」蒼井優

■声優は瞬発力・技術が必要。アニメーションは夢やメッセージが強くて好き。
―女優と声優、演じる上での切り替えで苦労した点はありましたか?
蒼井:私は徐々に役を作っていくタイプなので。声優の仕事をさせてもらう時は、役に入ってから抜けるまでが短いじゃないですか。だから瞬発力や技術がいる仕事だということを改めて感じました。アニメーションの世界って、夢があるから好きなんですよね。ちゃんと学びたいですね。“蒼井優”ではなく“自分の声”が必要とされるレベルにまでなれたら、もっともっとアニメーションの世界を体験できる。アニメーションって、圧倒的にメッセージが強いので好きなんですよね。

「目が離れていて口が大きいものが好き」蒼井優

■目が離れていて口が大きいものが好き。
―元々『リロ&スティッチ』をご覧になっていたとお伺いしたのですが。
蒼井:そうです。スティッチが日本に上陸した時、あまりの可愛さに興奮しましたね(笑)。私、目が離れていて口が大きいものが好きで、フレンチ・ブルドッグも好きなんです。キャラクターではスティッチのビジュアルがドンピシャに好きで、ミッキーよりスティッチ派なんです。凄く可愛いのに、結構スティッチっていい男なんですよ(笑)。

■“オハナ”の強さ・大切さ・温かさが詰まっています。
―では最後にメッセージをお願いします。
蒼井:観て頂けたら伝わると思うのですが、“オハナ”の強さと大切さ、温かさが詰まった作品なので、観て頂いた後に自分の周りの“オハナ”を改めて思い浮かべてもらえたらいいなと思います。大人になればなるほど照れが入ってきたりするけれど、たまにはこのくらいドストレートに“オハナ”を大切にすることがあってもいいと思います。照れ屋の大人にも観て欲しいです。

一言一言、じっくりと言葉を選びながら答えてくれた蒼井優。温和で優しい笑顔が素敵な彼女だが、ひとたび女優としてのスイッチが入るとまるで違うオーラが漂う。疲れていることも忘れるほど緊張し、役に入りこむからこそ観る者を惹きつけ、周囲を圧倒する演技ができるのだろう。これからどんな役で私たちを虜にしてくれるのか、蒼井の活躍が楽しみである。名実ともに、蒼井が日本を代表する演技派女優として名を刻んでいることは間違いない。

『スティッチ!パーフェクト・メモリー』はディズニー・チャンネルにて
8月7日(金)18:30~19:30 日本初放送
再放送:8月22日(土)11:00~・23日(日)25時~
声の出演:山寺宏一(スティッチ)・蒼井優(ティーラ)
(TechinsightJapan編集部 うめ智子)