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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】児童肥満問題が深刻化するイギリス。専門家は「我が国でも刑罰を」

成人してから真剣に取り組むのではもはや遅いのが肥満の問題。世界の国々で「この国から肥満児をなくせ」といった取り組みがなされているが、いまや深刻な肥満大国といわれるイギリスはというと…。専門家が政府に苦言を呈したもようだ。

英政府が打ち出していた未成年者を肥満から守ろうという主旨の「Child Obesity Act」なる条例。しかし肥満児童向けブートキャンプなどで指導にあたってきた痩身の専門家、スティーヴ・ミラー氏は政府担当者に「まだまだ親の側の意識は甘い」として、法的措置を講じる必要があると指摘したもようだ。

英メディア『dailystar.co.uk』が伝えているところによれば、ミラー氏は「肥満児の親に、私は太っているがゆえのイジメに遭っているかわいそうな子の例をたくさん教えます。親自身が大変な肥満というケースもあります。子供には何の罪もなく、彼らに必要な栄養素も考えずに質の悪い食生活を続けさせて肥満を放置するなら、それは親の虐待行為にほかなりません。法で裁く対象です」と話しており、政府には痩身指導の現実の厳しさについて説明し、新しい条例では懲役刑について検討するよう提案したという。ただしいきなり起訴ということではなく、新条例でまずはそうした親に対して“ファストフード店に子供を連れて行かない。毎週ダイエット指導クラスに必ず参加する”などを徹底するよう指導するべきだとした。

「もちろん親ばかりでなく政府や学校側の努力も欠かせません」とミラー氏。ファストフードやジャンクフードの企業が放つ誘惑の多いCMを規制し、学校給食においては、キャンペーンでもある「80-20(80%の栄養を考えた食品と20%のおやつ)」のルールを順守することが子供たちの健全な食生活につながると強調した。英・保健省の広報担当者は「親を法的に罰するなど、まったく検討していません」と非常に柔和な姿勢を見せているが、ミラー氏は「私は愚鈍な親たちの反発なんて恐れていませんよ。すべては子供たちの将来のためです」と真剣である。

今年になってからプエルトリコの議会では、子供の肥満を改善させようと努力しない親に対する「罰金刑」の法案が提出された。人々の間では「やり過ぎだ」の声のほかに、「これくらいしなければ問題は解決しない。誰も真剣に子供の肥満に向き合わないからこうなった」という厳しい声も多い。成人病患者が蔓延して健康保険事業予算を逼迫し、超肥満体で働けない人々を障害者生活手当で支えているイギリス。彼らも決して他人事ではないはずである。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)