writer : sekihara

【テック磨けよ乙女!】今さら聞けない「パクチーってどんな味?」。意外な効能と“パクチスト女子”爆増のワケ。

トムヤンクンやフォー、春巻きなどアジア料理に欠かせない食材、パクチー。たいていは料理に葉が少しだけアクセントとして添えられている程度だが、見た目のかわいらしさとは裏腹になんとも強烈な香りを放つのが特徴だ。そのため、好き嫌いが分かれるのがパクチーの宿命。「パクチーは苦手」という人がいる一方、「パクチー大好き!」という“パクチスト”も存在するのだ。今やパクチーをメインにした料理を提供する店も実在するほど、パクチストが増えているらしい。

この6月にパクチーに注目したのが、外食のプロフェッショナル集団が毎月集まる「ホットペッパー グルメ トレンド座談会」だ。昨今のパクチーの人気について、座長でもある“外食のプロ”有木真理さんは、2010年以降各国料理が浸透した背景に触れ、「外来の野菜を国内でも生産し始めるようになり、取り扱う飲食店やスーパーが一気に増えました。より身近に、様々なお店で楽しめるようになったことが、最近の爆発的なブームの後押しになったと思われます」と分析する。

この指摘のとおり、これまでは少量を楽しむだけだったパクチーをメインにした料理が食べられる店も登場している。昨年10月、三軒茶屋にオープンした「ラム&パクチー Salad Days」では、パクチーの個性的な香りをダイレクトに味わえそうな「パクチーサラダ」をはじめ、店長イチオシの「アルゼンチン赤海老のパクチーガーリックシュリンプ」、日本人には馴染みのない部分を使った「パク根とはすのきんぴら」、ドリンクでは「パクチーミントモヒート」も揃え、パクチー三昧の料理が楽しめる。また他の飲食店ではスイーツとして「バナナパクチースムージー」や、以前にテックインサイト編集部が直撃したフローズンヨーグルト専門店「パーティーランド」でもトッピングとしてパクチーを好きなだけ盛り付けることができた(トッピングできる内容は店舗や季節によって異なる)。

実はパクチストのほとんどが女性とされるそうだが、そこで気になるのがパクチーの効用だ。パクチーには、高い抗酸化作用があり、美肌や便意改善、アンチエイジングやデトックスなどの女性に嬉しい効果が期待できるそうだ。さらに、消化促進や食欲増進など、食欲が落ちる夏本番に役立つ効果もあるとのこと。アジアの暑い地域でパクチーが好まれるのは、このような効果によるものなのかもしれない。

また心理学の一説によれば、「女性の方が食に対してチャレンジャー、逆に男性は保守的」という傾向があるという。既婚の男性が「おふくろの味が好き」というのをしばしば見かけるが、これはその典型例だろう。新しい食材に貪欲に挑戦する女性の方が、日本では目新しいパクチーを受け入れやすかったということか。

ところでパクチーに関するネットでの書き込みを見ると、「パクチー大好き」「パクチーはダメ」という“好き嫌い”についての書き込みの他に、意外にも「パクチーはどんな香り・味ですか?」という質問が多いのに気づく。パクチーは香りが強烈・独特という話を聞いて、食べてみる勇気が出ない人もいるようだ。考えてみれば、日本でもシソ、ミツバ、アサツキ、サンショウ、ミョウガ、ワサビなど香りを楽しむ食材がいくつもある。特に夏には薬味の香りに助けられて、食事をする人も多いのではないか。パクチーを食べたことがない人は一度トライしてみたらいかがだろう。手軽に食べられるようになったパクチーで美しくなり、夏バテ知らずのパクチー女子がまだまだ増えそうな気配である。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)