海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】世界遺産『万里の長城』すでに3割が消滅。残りも「保存状態が悪い」。

中国・国家文物局はこのほど、『万里の長城』の保存状態が悪いことを発表した。厳しい管理や修復を検討しなければ、いずれはすべてが破壊する可能性をもはらんでいるもようだ。

先に「中国・長城学会(Great Wall of China Society)」が行った調査により、紀元前3世紀に建て始められた世界遺産『万里の長城』の保存状態がよくないことが発表された。自然および人的な破壊が原因であり、全長のうち3割はすでに消滅。残りの7割も「保存状態が悪い」と評価されたという。

破壊をもたらしている要因のうち、自然のものとしては雨や風、レンガとレンガの隙間から生えて成長する植物が挙げられるとのこと。また人的なものとしては観光客が記念にレンガを盗むばかりか、コレクターが欲しがる文字入りレンガが闇市場で売買され、また地元民が家を建てるためにレンガを持ち帰ったためだという。河北省・盧竜県の貧しいことで知られるある村では、家の多くが『万里の長城』の灰色のレンガを使用して建てられており、彼らはまた歴史的意味を持つ文字入りのレンガを持ち去っては闇市などに持ち込み、30元(約590円)以上の額で売りさばいてきたそうだ。

現存する壁の延長は6,259.6km。長いこと総延長は8,851.8kmとされていたが、実は21,196.18kmであったと推定されることを2012年に国家文物局が発表していた。なお、長城では悪戯書きをする観光客の存在も長年の大きな問題であった。そこで昨年には“フリーの落書きゾーン”として、いくつかのポイントにプラスチック製の大きなボードが設置されたが、真の意味での解決とは言えないとの声も聞かれている。

※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)