エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】篠田桃紅さん(103歳)がビートルズとの思い出語る。その貫禄に「あの連中」発言も違和感なし。

美術家・篠田桃紅さんがバラエティ番組でビートルズが来日した時の体験を明かした。宿泊したホテルで彼女の作品を見たジョン・レノンが感激して「誰が描いたのか?」と支配人に尋ねたことから、篠田さんのところへ連絡があったというのだ。

篠田桃紅さんは、1913年3月28日生まれの102歳、数え年で103歳となる。著書も多く、最近では2015年4月に出した『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』がある。

6月12日放送の『ぴったんこカン★カン』(TBS系)で、ゲストの綾瀬はるかとレギュラーMCの安住紳一郎アナウンサーが、その篠田桃紅さんのご自宅兼アトリエを訪れた。

彼女は現在も精力的に作品の創作活動を続けており、数え年103歳でありながら、きっぷのよい受け答えは年齢を全く感じさせない。前述の著書が大ヒットとなった話題になると「それが、何十万部なんだって!」「あははは、もう、わけが分からないわ」と笑い飛ばす。

「年をとって、頭も、もうろうとしている」と言う篠田さんに、安住アナは「お言葉ですけど、もうろうとしていません。平野レミさんと変わりませんよっ」と返した。2人は先に、料理愛好家の平野レミさんを訪問していたのでその比較となったのだが、綾瀬はるかも「分かります」と頷いていた。

墨を用いた抽象画を中心とした作品で知られる篠田桃紅さんだが、1956年、42歳の時に渡米して、「世界の人々の動きに触れてびっくりした」ことがきっかけとなり作風を完成させたという。着物姿で筆を頼りに単身ニューヨークへ渡った彼女は、2年ほどで世界から注目を浴びる存在になり、今では海外の美術館や宮内庁にも作品が展示されている。

1966年、ビートルズが武道館公演のために来日した時のことだ。彼らが宿泊した東京ヒルトンホテルの貴賓室に篠田桃紅さんの絵が飾られていた。『無題』と題されたその作品に感動したジョン・レノンが「これは誰が描いたんだ」と支配人に聞いたことから、彼女のところへ連絡があった。篠田桃紅さんはその時の様子をきっぷのよいしゃべりで次のように語った。

「“これは誰が描いたんだ”と支配人に聞いて、支配人が教えたわけよ。電話がかかってきた」「“とにかくその筆屋さんを教えてあげるから、行って筆を買いなさい”って、そう言ったの」

「それで、その…あの連中は、そこで筆をいろいろ見せてもらって、すっかり有頂天になっちゃってね、彼ら。そこで紙を広げてもらって、みんなで描いて遊んでんの」「それがテレビジョンに映りましたの。それを私は家で見てました」

つまり、篠田さんはビートルズと直接会ったわけではないが、支配人を通して筆を扱っている店を教えたところ、ビートルズがその店で筆を買ってはしゃいでいるところがテレビに映ったというのである。その後、ビートルズは筆を買って持ち帰ったそうだ。

安住アナが「ビートルズを“あの連中”って言い切っちゃうところがいいですね」と感心したが、篠田桃紅さんが口にしたから違和感なく受け止められたようなものだ。世の中にビートルズをそう呼んだ人はあまりいないだろう。

また、安住アナが、ジョン・レノンがその後、オノ・ヨーコという日本人女性と結婚したことを説明して、「その作品が影響しているかもしれないですよ」と話を向けると、篠田さんは「ああそう…日本に興味を持ったことは事実よ」と答えている。

さらに、「もしくは先生と会っていれば、ジョン・レノンと結婚したのは桃紅さんかもしれないですよ!?」と振ると「あはは、それはないわ」と笑っていた。世界的な美術家ということや、ビートルズとの逸話はもちろんだが、なにより103歳にして会話の反応が速いことに驚いた。まだまだお元気で活躍していただきたい。

※画像は『ポール・マッカートニー paulmccartney Instagram』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)