エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】平井堅が“不遇の時代メドレー”5曲を披露。着ぐるみとジャンプも見せたプレミアムLIVE。

平井堅が、デビュー20周年YEARの幕開けライヴを開催。公演中には約4年ぶりとなる全国ホールツアーの計画も発表された。アーティストとして満20歳の誕生日を迎えた彼にとって意味深いライヴだけに、自ら“不遇の時代メドレー”と紹介する5曲を思い入れたっぷりに歌い上げるなど、まさにプレミアムな内容だった。

5月13日、平井堅はスペシャルなライヴ『Ken Hirai 20th Anniversary Opening Special!!』でデビュー20周年のお祭りの幕を切った。2011年のツアー以来のフルバンドによるライヴであり、15年ぶりのスタンディング・ライヴ。しかも会場は15年前と同じ、東京・お台場のZepp Tokyoだ。そのプレミア・チケットを手にした約2,500人の前に、6人編成のバンドと3人のバッキング・シンガーを従え、春らしい淡いピンクのスーツ姿で現れた彼は、計20曲を熱唱して輝かしいキャリアを振り返った。

20年の軌跡を辿る映像のイントロダクションに次いで、彼に大きな転機をもたらした『楽園』から歌い始めた。『哀歌(エレジー)』、さらにマイナーコードの曲『LOVE OR LUST』と続けてから、ミニ・コーナーの第1弾に突入する。平井堅は自嘲気味に“不遇の時代メドレー”と銘打って出発点を振り返り、デビュー・シングル『Precious Junk』から入り全5曲をメドレーで披露。甘酸っぱい曲の数々に思い入れをたっぷり込めた。

『Precious Junk』(1995年5月13日)、『片方ずつのイヤフォン』(同年6月21日)は1stアルバム『un-balanced』に収録されており、『Stay With Me』(1996年11月1日)、『キャッチボール』、『横顔』(1995年11月22日)の3曲は2ndアルバム『Stare At』の収録曲だ。平井にとって大ブレイクのきっかけとなった8枚目のシングル『楽園』は2000年1月19日のリリースだ。この5曲を“不遇の時代メドレー”と呼べるようになった今への感慨もあっただろう。

第2弾は、ライフワークと位置付けるアコースティック仕立てのコンセプト・ライヴ、Ken’s Barのコーナーとなり、Ken’s Barのテーマ曲『even if』ほか3曲をしっとり聴かせた。もちろん歌だけでなく、MCでも相変わらずの饒舌トークで会場を沸かせる。立ち見に慣れていないファンをしきりに気遣っていたが、直接会話を交わしてコミュニケートし、お互いに距離の近さを楽しんでいるように見えた。

着ぐるみたちとジャンプする平井堅

後半は再びフルバンドでアップテンポに転じ、着ぐるみキャラと一緒に踊りながら披露した『POP STAR』や『KISS OF LIFE』で盛り上げれば、座席がある2階もすっかりスタンディング状態に。そして『Love Love Love』で本編を締め括り、カジュアルな装いに着替えてのアンコールでは、ピアノ伴奏による2003年のアルバムの表題曲『LIFE is…』でフィナーレを飾った。

『LIFE is…』には「死ぬまで答えは見つからないかもしれないけど、探し、もがき続けることが自分のモチベーション」との想いを重ねたという平井堅。43歳にして初心に返り、「20年続けられたのは、歌が好きなだけでなく、1秒たりとも歌うことに飽きなかったから。ここからがスタートと考えて、可能なら還暦までやります」と力を込めていた。彼ならば還暦どころか海外アーティストに負けずに70歳、80歳まで歌い続けてくれそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)