エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】指原莉乃にヒントがある? 「“アイドル”と“人間らしい生き方”は両立できるのか」

作家の朝井リョウさんが最新作『武道館』についてバラエティ番組『王様のブランチ』で語った。彼は本作で、アイドルが「恋愛感情」と「自分の中にある性衝動」に触れた瞬間については「書かねばならないと考えた」という。そのことで何を伝えようとしているのか。

『桐島、部活やめるってよ』(2010年)などで知られる小説家・朝井リョウさんが、4月24日発売の新刊『武道館』について5月9日放送の『王様のブランチ』(TBS系)でインタビューに答えた。

『武道館』ではアイドルグループ・NEXT YOUのメンバー6名が「武道館ライブの夢」を追いつつ「卒業」、「恋愛禁止」、「ブログの炎上」などを経験していく姿が描かれている。

朝井さんは題材にアイドルを選んだ理由について次のような主旨を語った。世間ではアイドルに対して「怒っている人」や「のめり込むファン」がいるように様々な反応を示す。現代社会を一番反映しており、人々の感情を映し出しているのがアイドルではないかと考えてのことだ。

アイドルの目線として「恋愛感情」や「自分の中の性衝動」に触ってしまった瞬間を描写することは避けてはならないと感じた。彼は「アイドルファンは絶対に読みたくないだろうな」と考えたが、読みたくないモノこそ書かなくてはならないとこだわったという。

朝井さん自身は、現実にアイドルの恋愛スキャンダルが報じられると「そうだよね」と安心するそうだ。「人間としての欲を満たすことは、アイドルには許されていないのかと思うことがある」ことから、本作では「“アイドル”と“人間らしい生き方”は両立できるのか」がテーマとなった。

彼のインタビューを『ブランチ』で見た翌日のことだ。5月10日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)にHKT48の指原莉乃が出演していた。彼女は興味本位でネットで芸能人の恋愛スキャンダルを検索したり、「“キス画像”の誘い文句にのってクリックしたりする」と平然と語るではないか。

指原莉乃自身も過去に恋愛スキャンダルが報じられており、内容に関して全面的には認めていないが否定もしていない。「恋愛感情」や「自分の中の性衝動」はすでに経験済みなのだ。それでも、『AKB48選抜総選挙』では一昨年は1位となり、昨年も2位という人気ぶりである。

アイドルには全般的に「恋愛禁止」の風潮があるのは事実で、恋愛スキャンダルがきっかけで卒業したり人気が低迷したケースもある。指原莉乃も今は恋愛禁止を守っているようだが、「“アイドル”と“人間らしい生き方”は両立できるのか」のヒントは彼女が握っているように思えるのだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)