海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】脳卒中で母国語を忘れた94歳中国人女性、英語でコミュニケーションを図るように。

脳卒中に見舞われたことを機に、94歳の中国人女性の言語に大きな変化が現れたとして人々の注目を集めている。母国語を話せなくなり、英語でのみコミュニケーションを図っているというのだ。

脳卒中の後遺症のひとつとして、脳の言語中枢にダメージを受けて失語症となる人がいる。だが中国のある超高齢女性に非常に珍しい変化が現れ、脳神経科学者らが関心を示していることを『shanghaiist.com』が伝えている。湖南省在住のLiu Jiayuさん(94)はこのほど、動脈に詰まりが生じて脳に十分な血液と酸素が行きわたらなくなる「虚血性脳卒中」を発症。医師は彼女の脳の画像から失語症は免れないであろうと判断していたという。ところが今、Liuさんは母国語ではなく英語で周囲とのコミュニケーションを図っているのだ。

実は彼女、長く英語の教師をしていた。米国の著名な脳神経科医であるグレゴリー・オシャニック博士はこの現象について『ABC News』に、「母国語と第二言語は脳において同一の場所で管理されていないのです。赤ちゃんが親しみながら母国語を身につけるのは左脳の働きによるもので、Liuさんが英語の単語や文章をマスターしたのは右脳による“学習”の成果だからです」と話している。

オシャニック博士はまた、「事故などで脳にダメージを負ったことをきっかけに、かつて勉強した外国語をより上手に話せるようになったケースはこれまでにも報告されています」としている。幼児期にではなく、ある程度の年齢から学業として習うようになった外国語の場合にそれが顕著だという。

※ 画像はshanghaiist.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)