海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】ホームレス食料提供禁止の新条例で、善意の90歳らが逮捕。市民は猛反発。(米)

新しい条例により、“ホームレスお断り”と謳うようになった米フロリダ州のフォートローダーデール。このほど90歳の心優しい紳士と他2人が、それに反する行為で逮捕されてしまった。市民は今、その条例の是非や警察官の態度をめぐり喧々囂々の議論を繰り広げている。

生活弱者や貧困層に温かい手を差し伸べる、そんな精神が強いアメリカにおいても、美しい都市づくりのためにと行政がホームレスの締め出しに力を入れている土地もある。米フロリダ州ブロワード郡のフォートローダーデールで2日、牧師を含む善意の男性3人がホームレスのために炊き出しを行い、逮捕された。警察官の「皿を下ろせ!」の命令は、彼らが武器でも手にしているかのような響きであったという。

逮捕されたのは教会の牧師であるドウェイン・ブラックさん、マーク・シムズさん、そして20年以上そこで炊き出しを続けてきたアーノルド・アボットさんの3人。その2日前に施行となった“ホームレスへの食料提供は禁止” という新条例に反していたのだ。有罪が確定すれば3人は500ドルの罰金とともに60日間の服役を命じられる可能性があり、アボットさんは90歳と超高齢であることから、市民はインターネット上で猛反発を繰り広げている。

『Love Thy Neighbor, Inc.』という慈善活動団体を運営し、「雨から身を守る建物、屋根を持たない彼らに対し、どうして背を向けることができるでしょう。貧しい人々に食べ物を恵むのは人として当然のことです」として、自ら調理を担当していたアボットさん。市民は行政や警察の非情さについて強く批判しているが、温和なアボットさんは「市に掛け合い、あくまでも平和的解決を望みたい。これに懲りず私はこれからも炊き出しを行うつもりです」と述べている。市は1999年にも同様の動きでアボットさんに圧力をかけたが、その時の裁判ではアボットさんが勝利していた。

※ 画像はlocal10.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)