海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】ベンツGワゴンで世界215か国、89万kmの旅。男のロマンを達成したドイツ人男性。

アウトドア派のための情報誌『Outside』電子版が昨年、75歳のドイツ人男性が愛車ベンツGワゴンとともに20年以上も世界中を旅し続けている様子を紹介し、話題になっていた。パーツを交換することはあっても、オフロードを多々含む82万kmもの距離を故障ナシで走り続けたその愛車を彼は今、大きく称えている。

アウトドア派で車やスポーツ、冒険好きの男性にとってはたまらない情報が満載の『Outside』という雑誌がある。そこで昨年1月に紹介されたのが、“The World’s Greatest Traveler:A 1988 Mercedes That Has Been to 172 Countries”というタイトルの記事。ドイツ人のグンター・ホルトルフさん(当時75歳)が、 “Otto”と名付けた愛車のベンツGワゴンで82万kmほどの距離を駆け抜け、172もの国を訪れたとし、オフロードが3分の1を占めたにもかかわらず、ベンツが大きなトラブルに見舞われることはなかったという。

バイエルン州の出身で、かつてはルフトハンザドイツ航空の最高責任者であったグンターさんだが、今から26年前の1988年にその旅を決意。4番目の妻クリスティンさんを伴い、衣類、食品、車の修理道具やスペアパーツ、寝具など本当に必要なものだけを車に載せて自宅を出た。南北アメリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、どの大陸でも地元の市場で食糧を仕入れるなどし、レストランやホテルは利用せず睡眠は必ず愛車でとった。それまで超エリートビジネスマンであった彼は、会議も携帯電話も新聞もない気ままさをそれは楽しんだという。

ところが、マラリアをも克服した夫婦であったが、ある時妻のクリスティンさんが肺がんを発症。グンターさんは自分の男のロマンで妻を振り回し、その体に大きな負担を与えたと懺悔の気持ちで泣いてばかりでいたという。また自分たちが忙しさにかまけて結婚式すらあげていなかったことに気づき、2010年のある時、2人だけで式を。しかしその2週間後、「私の代わりに旅を続けて」と言い残してクリスティンさんは天国に旅立った。その後は落胆するグンターさんを心配し、クリスティンさんの息子であるマーティンさんが、スリランカ、中国(画像はnanrenwo.netのスクリーンショット)、北朝鮮の旅に同行してくれたという。

日本へも旅をしたというグンターさん、2012年にはエルケ・ドレウェックさん(45)という新しいパートナーと出会ったそうだ。こうして世界215か国を回り、メーターの走行距離が895,000kmを示し、77歳となったグンターさんはようやくその旅に終止符を打ったところである。「この旅の主役は“Otto”。セルビアではマイナス27度を、そして豪アリススプリングスでは50度の高温に耐えたんだ。エベレストのベースキャンプでは海抜5,200mの高さを経験したよ。海を渡る際にはフェリーを利用したけれど、世界で最もよく走った車として歴史に残るね」とひたすら愛車を称え、妻との思い出を「かけがいの無いもの」と語る。その“Otto”、今後はシュトゥットガルトにある「メルセデス・ベンツ博物館」で展示されるそうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)