エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】紀里谷監督による“毛皮反対”映像が完成。きっと「リアルファーは着ない」と思いたくなる。

映画監督の紀里谷和明氏による映像作品『毛皮反対プロジェクト』が完成し、YouTubeでの公開が開始された。紀里谷氏がクラウドファンディングにより始動した、自由な映像制作に取り組むプロジェクトの第1弾として「“毛皮”をテーマに、多くの人に毛皮製品生産の実態を知ってもらう」ことを目指して制作したものだ。海外ではハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーなど毛皮(リアルファー)を着ないスターが増えているが、日本でも杉本彩など毛皮反対を表明する芸能人は少なくない。彼、彼女たちは、なぜ毛皮反対を訴えるのか。紀里谷監督の映像は言葉だけではなく、イメージでその理由が伝わるものとなっている。

株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営する、クラウドファンディングプラットフォーム『Makuake』で2014年4月から開始した、紀里谷氏が自由に映像制作に取り組むプロジェクト『さあ、一緒に、世界を変えよう!現代の社会問題に鋭く切り込む映像プロジェクト始動!』で調達した資金をもとに制作した映像作品が完成。YouTubeの『KIRIYA PICTURES公式チャンネル』にて10月23日より公開している。

紀里谷和明氏といえば、映画『CASSHERN』や『GOEMON』、アーティストのPVやCMなど幅広い活躍で知られる。その彼が、利害関係者の意図を気にせずに世界中の多様な社会問題をテーマにして自由に作品制作に取り組もうという趣旨のプロジェクトをスタート。第1弾がこの映像『毛皮反対プロジェクト』となった。

10月23日に渋谷ヒカリエで行われた映像完成イベントで、紀里谷氏は「世界中の人に観てもらうことが前提。起きている事実から逃げずに、毛皮製品の奥にある“痛み”を想像できる、心に刺さる映像にしたいと思って制作した」と語った。まさに胸が痛くなるような映像は、言葉よりもダイレクトに主張してくる。

彼は「毛皮は美しいものであり、醜いものである。触ると気持ちいいし、見た目も美しいが、時をさかのぼると生産現場には残酷な事実がある…」と説明すると、「毛皮問題だけでなく、様々な社会問題に感じる違和感にもっと忠実に、逃げずに直視して欲しい。そしてそれぞれの立場で出来ることをするのが大事」と訴えた。

2009年のことだ。女優のアンジェリーナ・ジョリーが撮影で着ている毛皮の衣装について、全て「フェイクファー」だと明かして話題となった。アンジェリーナ・ジョリーの衣装デザイナー、マーク・バウアーは毛皮反対派であり、彼の手掛けるファーは全てフェイクである。海外セレブスターの間ではこの頃からフェイクファーが広がり、「リアルファーを着ない」という人が増えている。

日本でも、PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)の毛皮反対ポスターモデルを務めるなど活動を支援する女優・杉本彩はフェイクファー&フェイクレザーのバッグ『Dear Elsa』をプロデュースするほどだ。他にも毛皮反対やリアルファーを着ないことを意思表示した芸能人は多く、滝川クリステルやベッキー、ミス・ユニバース2007の森理世、ミュージシャンのサンプラザ中野くんやSUGIZO、坂本美雨などがそうだとされる。

もちろん、一般で毛皮反対を支持する人も多いだろう。しかし、この『毛皮反対プロジェクト』の中に“毛皮の用途例”が表記されており、意識しないうちに毛皮製品を使っていることに気づく人もいるはずだ。今一度、毛皮製品について考えるきっかけとなる映像である。

※画像はYouTubeのサムネイル。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)