EU発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【EU発!Breaking News】キツイ坂をスイスイ登る装置。乗りこなせるのはノルウェー人ならでは?<動画あり>

横浜、長崎、神戸など“心臓破りの坂”が多いことで知られる土地に暮らす人々は、よく「自転車をあまり利用できないから辛い」と話す。だが、もしもこのようなものが地面に設置されたら…!? ノルウェーにある、自転車向けのラクラク登坂装置が話題を呼んでいる。

世界の様々な都市景観やまちづくりについて紹介する『citylab.com』が伝え、坂道の多い都市やそこに暮らす人々の熱い注目を集めるようになったのが、1993年ノルウェー・トロンハイムの道路に世界で初めて設置された「SYKKELHEIS/CycloCable」という自転車向け登坂装置(画像は同サイトのスクリーンショット)である。利用者は出発点にある赤いボックスを操作し、溝状のレールから頭を出している金属ディスクに片足を乗せ体重をかければ、あとはそのディスクが130m先の終点まで引き続けてくれる。

この「SYKKELHEIS/CycloCable」、気になるのはやはり安全性だが、秒速1.5mとゆっくりスタートして徐々に秒速2mへ。前後との間隔はしっかりと確保され、1時間あたり最大で300人が利用できる。最大斜度18%までの道に最長で500mまでレールを敷くことができるそうだ。また自転車用に開発されたとはいえ、キックスケーターやローラースケート、中にはベビーカーでこれを利用している人もおり、高齢者の使用や自動車用車線との安全な共存など課題があると懸念されたが、これまで20万人が利用し、事故は起きていない。

ただし、自転車専用レーンの有無や道路交通事情などは国、都市によってまちまちであり、安全性の確認はもちろんのこと、慎重な審議を必要とする一大事業であるため、世界のどの都市においてもこの装置の設置が可能というわけではないもよう。トロンハイムの人々があっという間にこれを使い慣れたのも、ノルウェーの人々はスキー場で「シュレップリフト(ロープの先の円盤を股ではさみ、引っ張られる)」を幾度も経験しており、マウンテンバイクも非常に盛んであることから、そもそもバランス感覚が優れているとの意見もあるようだ。

(TechinsightJapan編集部 Joy横手)