米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】恐怖のリステリア菌検出。店頭からネクタリン・桃が次々と撤去。

免疫力が低下している病人、乳幼児、妊婦がかかると重い症状を引き起こすことがあり、致死率も高い「リステリア症」という感染症をご存じであろうか。このほどアメリカのスーパーマーケットで販売された果実からこの感染症の原因となる菌が検出され、業界に激震が走っている。

多くの動物と人間に感染する人獣共通感染症のひとつ、「リステリア症」。乳製品や野菜サラダ、果実といった熱を通さない食品に含まれるリステリア菌により発症する稀な病気で、高齢者、免疫力が低下している病人や糖尿病患者、乳幼児、妊婦に感染すると髄膜炎や敗血症といった重篤な症状を引き起こすことがあり、妊婦では流産のおそれもある。食品由来とはいえ嘔吐や下痢、腹痛といった食中毒の症状が見られないことも特徴だ。

22日、米カリフォルニア州カトラーに本拠地を置く「Wawona Packing Company」社が出荷し、大小スーパーマーケットの店頭に並んだフルーツが撤去となった。ネクタリンと桃からそのリステリア菌が検出されたことが原因だが、同社はコストコ、Trader Joe’s、ウォルマートとその傘下のSam’s Clubなどと取引があり、ネクタリンと桃、そしてプラムやプルオット(プラムとアプリコットの交配種)など堅い種を持つ類いのフルーツがこぞって姿を消し、すでに購入した客に対しては店やメディアも「決して食べないで下さい」とリコールへの協力を呼びかけている。

日本では1970年代以降、欧米諸国では1980年代から少しずつ増加傾向にあったリステリア症。「アメリカ疾病管理予防センター」によれば、全米で毎年1,600ほどの発症例が確認され、そのうち260名が死亡しているとのこと。CNNも2011年にコロラド州の農場から発生したリステリア症が原因で35名ほどが死亡し、衛生管理の責任を問われた栽培農家は裁判で5年の執行猶予を宣告されたことを報じている。

※ 画像はus.cnn.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)