米ペンシルベニア州の高校で現地の9日朝に起きた、無差別ナイフ刺傷事件。米国のメディアは今、顔にいくらかの返り血を浴び、身体の前で手錠をかけられた容疑者の16歳男子生徒の顔、そして実名をニュースで公開している。インタビューで見えてきたのは、彼はとても静かな生徒ということであった。

米ペンシルベニア州ピッツバーグから25kmほど東に位置するマリーズビルの、敷地内には小中学校もある「フランクリン・リージョナル高校」で現地の9日朝7時すぎ、この学校の2年生である16歳男子生徒による無差別ナイフ刺傷事件が起きた。警備員1名を含む22人が負傷して手当てを受けているが、その中でも5人について重体が報じられ、保護者や在校生、そして地域全体が激しい動揺に包まれている。

日本では決して公開されないところだが、2本のナイフを手に教室や廊下で周囲を次々と刺したその男子生徒の実名や顔写真を、アメリカのメディアは隠さない。写真や映像を公開した『ABC News』によれば、その男子生徒の名前はアレックス・フライバル（Alex Hribal）。現在は同州ウェストモアランド郡の少年少女を対象とした施設に身柄を拘束されており、ある友人に前日にかけた脅迫電話と事件の関連を含めた厳しい取り調べが続いている。予備審問のため今月30日の裁判所出廷が予定されており、検察側は20以上の罪に問うもよう。保釈金の設定はないという。

男子生徒の実名が発表されたことにより、メディアは今、その人物像について様々な情報を得るようになっている。彼とホッケー仲間であったという生徒は、同ニュースの取材に「アレックスはもの静か。でもごく普通の男子生徒だと思っていた」と話しており、その他の証言を元に彼らはフライバルを“皆に好かれることのない生徒だった”と表現。学校内で起きる無差別発砲事件や刺傷事件は、大概が仲間外れにされたり嫌われたりと友人関係がなかなかうまくいかず、クラスメートへの怒りや恨みを鬱積させた末に起きる激しい爆発…今回の事件もそんな典型例であると分析したもようだ。

※　画像は『ABC News』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）