EU発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【EU発!Breaking News】MRSA感染の女性、「赤銅色のパジャマで治癒」と告白。(英)

院内感染死亡のニュースにたびたび登場する、「MRSA(多剤耐性黄色ブドウ球菌)」という言葉。この病を克服したイギリスの女性が、「薬が効かなかったMRSAを赤銅色のパジャマが治した」と語ったことで大変な注目が集まっている。

患者や医療チーム、そしてその医療機関を管理運営する誰もが恐れている「MRSA」の発生。体の免疫抵抗力が落ちている患者が、抗生物質「メチシリン」も効かなくなった黄色ブドウ球菌の感染症を発症し、院内に次々と患者が現れるというのが典型例だが、今では抗生物質に耐性を示す多剤耐性菌についても広く使用される言葉である。

英サリー州カーターハムで2012年9月、女性のバーテンダーとして働くジェンマ・ウィルビーズさんという30歳の女性は、クロイドン大学病院で帝王切開により息子のアルフィーくんを出産した。ところがその数日後に院内でMRSA感染症を発症。どのような抗生物質も効かずに医師らを悩ませていた中、彼女は見事にそれを克服して病院関係者らを驚かせた。この件についてジェンマさんが「特殊なパジャマを着たら治った」と語ったことから、医学界の大きな注目を集めている。

ジェンマさんが着ていたのは赤銅色のパジャマ。色ばかりではなく繊維に本物の銅が混ぜられている。ポーツマス大学で司法心理学を勉強しているジェンマさんの友人アンバー・マクレアリーさん(18)が、発明家ポーラ・ウォードさんの知恵を仰いだところ、繊維に銅が混じっているパジャマを着たらよいという理論にたどりついたそうだ。さっそく病床に届いたその銅入りパジャマを着たところ、ジェンマさんのMRSA感染症はみるみる治癒に向かったという。

また、ジェンマさんが克服したのはMRSAだけではなかった。25センチもあった帝王切開の縫合部分がその後も痛くてたまらなかった彼女は、肉が腐ったような悪臭が傷口から漂っていることに「これは尋常ではない」と直感。イーストサリー病院へ10月に入院してその部分の再切開手術を受けているが、アンバーさんのお陰でそこでもジェンマさんは銅入りの布団、靴下、ガウンを使用。するとそれまで陽性であった細菌感染検査がすべて陰性に転じ、傷口の回復の速さは医師らを驚かせた。

ジェンマさんはアンバーさんや銅入り繊維の研究を行う「Copper Clothing」とともに、イギリスの専門医諮問委員会の著名な医師5人と対談し、「ひいては国民の健康保健のためになること。全英の病院が銅を練り込んだベッドやパジャマに変えてみるべきです」と提唱したとのこと。医師らも銅繊維に秘められた何らかの可能性に期待したいとして、導入のための実験がクロイドン大学病院で始まるもようだ。

※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)