EU発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【EU発!Breaking News】仮死状態で産まれた赤ちゃん。超低体温に保ち、脳のダメージを防ぐ。(英)

最先端の新生児医療は、大切な赤ちゃんの命を救うためにすでにここまでのことが可能になっているようだ。両親が「仮死状態で誕生したわが子は、超低体温を保つ冬眠療法で助けられた」という驚くべき事実を告白し、話題になっている。

イングランド南部バークシャーのレディングに暮らすダニエル・クックさんの妻、ニッキーさんは2011年12月、出産予定日から5日経過したところで前期破水を起こし、自宅でフレディ君という男の赤ちゃんを出産していた。しかし赤ちゃんは泣かず呼吸もしていないことから救急車で大きな病院へ。死を覚悟し、うなだれた両親であったが…。

誕生後20分間も呼吸をしなかったフレディ君について、医師は両親に「新生児仮死」との診断を告げ、赤ちゃんの肩が母体の恥骨結合部分にひっかかる「肩甲難産」で、へその緒が折れて酸素を運ぶ血流が滞った状態が続いたことが原因であろうと説明した。しかし医師は同時に、最先端医療技術である「冬眠療法」というものがあることを紹介。ダニエルさんとニッキーさんはそれに望みを託し、フレディ君はオックスフォード大学の「ジョン・ラドクリフ病院」に移された。

こちらの画像は、先月13日にニッキーさんが“Freddys Story – Cool to save a life”というタイトルでYouTubeに投稿した動画のスクリーンショットである。保育器の中で、おむつのみつけて冷たいウォーター・ブランケットにくるまれていたフレディ君。このようにして、脳のダメージを著しく軽減するという33度の低体温状態に保たれたまま72時間の観察が続いたが、小さな手は氷のようで、体を小刻みに震わせてしくしく泣くわが子に、ニッキーさんは切なくてたまらなかったそうだ。

医師団は「冬眠療法」およびその後の経過が順調であると判断し、クリスマス・イブの日に両親はついにフレディ君をわが腕に抱き、自宅に戻った。当時のことを思い出しながらニッキーさんは英紙『デイリー・ミラー』に、「とてもミラクルなクリスマスプレゼントを受け取った気分でした。フレディの脳には何の後遺症も確認されていません。こんな例もあるということをひとりでも多くの皆さんに知って欲しいです」と話している。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)