アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】ネルソン・マンデラ元大統領死去。残されたマディバの偉大な伝説。(南ア)

現地時間の5日午後8時50分、家族が見守る中でマディバことネルソン・マンデラ元大統領が95歳の生涯を終えた。自由のために闘った南アフリカのマディバの偉大さを感じる伝説があった。

死去の翌日、ラジオではマンデラ元大統領の思い出をリスナーから募り、マディバに関する曲を一日中流していた。テレビでも中継や過去の映像を流し、ケープタウンでは夕方に追悼式が行われた。国民全員が追悼を惜しまないほど好かれていたネルソン・マンデラ氏の、マディバたるゆえんともいえるエピソードがあった。

ネルソン・マンデラ氏が釈放された当時、F.W.デクラーク大統領の元で働いていた官僚らはマンデラ氏と初めて会った日のことが忘れられないと語っている。

1994年4月、初めての民主主義選挙が行われた数日後のプレトリアにある政府庁舎ユニオンビルディングでのことだ。デクラーク氏の元で働く官僚たちは、不安な表情で会議室に集まった。すでにマンデラ氏が大統領となりデクラーク大統領と交代することが前もってわかっていた官僚たちは、これから自分らの身に何が起こるのか白紙の状態である。マンデラ氏の権力によって、白人の官僚らがなんの儀式もないまま職場から放り出される可能性も大いにあった。

緊張が頂点に達した頃、長身のマンデラ氏がいつもの親しげな表情で会議室へと入ってきた。そしてマンデラ氏は官僚らの心配をよそに部屋の奥へ進むと、官僚ひとりひとりと握手を始めたのだ。マンデラ氏は相手の名前を確認すると、彼のトレードマークでもある「How are you?」とともに全員と挨拶をした。彼らの多くは、当時すでに伝説であったマンデラ氏がひとりひとりを気遣ってくれたことに驚き感動すらした。その後マンデラ氏は官僚たちに将来のことを心配する必要はないと言い、会議室を出て行ったという。

※ 画像はYouTubeのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)