闘犬としての歴史を持つ種類の犬を飼っている、あるいは飼おうとしているお宅は特に注意が必要である。このほどイギリスのレスターシャー州で、大型犬がファミリーの幼児を噛み殺すという痛ましい事件が起きた。

幼児が土佐犬や秋田犬に噛まれ、大怪我をしたり死亡したりという不測の事故は日本でも時おり発生している。闘犬としての遺伝子を誇るこうした大型犬を飼うにあたっては、くれぐれも事故が起きないよう注意が必要だ。英レスターシャー州マウントソレルのロウィーナ・コートで5日昼過ぎ、ブランソンさん一家の4歳の娘レキシーちゃんが飼い犬に噛まれて死亡するという悲惨な事故が起きた。

この画像は、ニュース専門TV局『Sky News』が公開した映像のスクリーンショット。専門家らは、「ボルドー・マスティフ（＝フレンチ・マスティフ）であろう」という意見で一致しているもようだ。この犬種は歴史的に完全なる闘犬の血を誇り、愛嬌のある顔つきも人気のため番犬として世界中で飼われているが、一旦怒り出すとその獰猛さ、攻撃性は手がつけられないとも言われている。この犬に噛まれたレキシーちゃんはヘリコプターでノッティンガムの「Queen’s Medical Centre」に救急搬送されたが、すでに心肺停止の状態で息を吹き返すことは叶わなかった。

近隣住民は『Sky News』の取材に、「母親とレキシーちゃんがここに住むようになってから1年ほどで、その犬を見かけるようになってまだほんの数週間です。母親から聞いた話では、以前はレスキュー犬として活躍していた犬だそうです」と話しており、異口同音に「レキシーちゃんは会えばハローと挨拶をしてくれる本当に可愛い女の子でした。あまりにも可哀想、ショックです」と答えている。

イギリスは1991年に危険な犬としてアメリカン・ピット・ブル・テリア、土佐犬、ドゴ・アルヘンティーノ、フィラ・ブラジレイロの4種について繁殖と飼育を禁じる法律を定めたが、警察は今回の事故を起こした犬種について「そのリストにはない。犬は事故の直後に殺された」と発表するにとどめている。レキシーちゃんがこの犬と戯れる中でいったい何があり、その逆鱗に触れてしまったのかなど警察の調査が続いている。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）