EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】空き地から約2000年前の貴重な指輪が見つかる。(スウェーデン)

スウェーデン南部、ヨーテボリとリンシェーピングの間に位置する町Gudhemの空き地で、散歩をしていた女性がひとつの指輪を発見した。地味で質素に見えたこの指輪は調査の結果、今から約2000年前に製造された、考古学的に非常に価値のあるものであることが明らかとなった。

指輪の発見者であるCamilla Lundinさんは、初めはこの指輪が価値のあるものとはまったく思ってはいなかった。だがLundinさんが弟にこの写真を送ったところ、すぐに「これは恐らく古代のものであり、お宝級のものにちがいない」という返事が返ってきたため、国立文化財研究所に調査を依頼し、その正体を明らかにすることを決意した。

実はこの指輪が発見されたのは、2011年6月のこと。だが、調査が開始された時点でスウェーデンは既に秋になっていたため、気候的に現地調査をすることは不可能であった。またその他の調査も合わせ、2年の歳月を経た最近になってようやくこの指輪の正体が判明したのだが、その結果は驚くべきものであった。

取るに足らない物に思えたこの指輪はなんと、今から約2000年前に製造されたものであることが明らかとなったのだ。

今から約2000年前のスカンディナヴィア半島はローマ帝国との交流が盛んであり、コインやバックル、青銅製品などの多数の製品が輸入されていた。そのため、この指輪もそうした輸入品の1つではないかと推測されている。

スウェーデンでは、発見された物が100年以上前の物であると確認された場合、それは発見者のものになるという法律が存在しているのだが、その発見物が金や銀、青銅などの合金製である場合は、発見者は国がそれを調査し場合によっては買い取ることを許可する必要がある。

指輪の調査費用は全てLundinさんが個人的に支払っていたが、結果判明後、国はLundinさんにこの指輪に対して約1万1000クローナ(約17万1000円)を支払うことを表明した。Lundinさんはニュースサイト『The Local.se』のインタビューに、「この指輪はまるで大地からのプレゼントみたいなもの」と話している。

※画像は、実際に発見された指輪。(『The Local.se』のスクリーンショット)
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)