イタすぎるセレブ達

writer : tinsight-yokote2

【イタすぎるセレブ達】Jay-Z&ビヨンセ、被害者の母と共に。全米注目の黒人少年射殺事件抗議活動に参加。

昨年2月に米フロリダ州で起きた、自警団に所属する男性が丸腰の17歳黒人少年を射殺した事件。“身の危険を感じたら撃ってもよい”という米国のある法律に守られ、男性はこのほど無罪評決を勝ちとった。これに伴い全米各地で抗議活動が勃発したが、そこにJay-Z&ビヨンセ夫妻も加わったもようだ。

まずはその事件からお伝えしたい。米フロリダ州サンフォード市の高級住宅街にある実父(別の女性と婚約中)の家に泊まっていた17歳の少年トレイボン・マーティン君が、近所のコンビニで買い物をした帰り道、自警団員のジョージ・ジマーマン(29)に「怪しい」と尾行された。それに気づいた少年は一旦物陰に隠れ、ジマーマンに襲い掛かり怪我を負わせる。鼻と後頭部からの出血に身の危険を感じた彼は、携帯電話でそこで警察に連絡する。

警察はジマーマンに「これ以上少年を尾行しなくてよい」と指示したが、彼はこれを無視して少年を追いかけ射殺。そんなジマーマンを警察は当初逮捕もせず釈放し、少年の遺体を身元不明の扱いで3日間保管するも、その身元を特定する努力すらしていなかったことが分かっている。

裁判ではその時刻に「助けて!と叫ぶ声を幾度も聞いたが、その声は一発の銃声とともにピタッと止んだ」という近隣住民の証言も出たが、このほどついに結審。ジマーマンの正当防衛の主張が認められ無罪が決定した。銃を手にしたジマーマンがトレイボン君の背に馬乗りになった姿を見たという目撃者の女性は、CNNの取材に応じ「警察は私の話をジマーマンに有利な内容に勝手にすり替えてしまい、いくら訂正をお願いしても応じてくれなかった」と怒りをぶつけている。

こうしたことを受け「人種差別」、「自警団が安易に発砲するのは不公平」、「警察は職務怠慢」といった不満から激しい抗議デモが全米規模で広がっており、100万人以上がトレイボン君同様にスウェットのフードをかぶった姿で「ミリオン・フーディ・マーチ」を行うなど、威力を増すばかり。またジマーマンの無罪を支えた『Stand Your Ground Law(身の危険を感じたら殺してもよい)』という法律については、「銃規制を求める昨今の米国市民の感情に反するものだ」と法改正を求める声があがっている。

アフリカン系に限らず本当に大勢のセレブもこれに反応し、Twitterには「ムカつく人種差別」、「それを正当防衛と認める世の中なんて怖い」と様々な意見が展開されているが、当初は静観しているように見えたビヨンセとJay-Zの夫妻もいよいよ立ち上がった。ニューヨークで20日、グリーンのフードをかぶったトレイボン君の顔がプリントされたTシャツを着た母シブリナさんと合流した夫妻は、『Stand Your Ground Law』に関する抗議活動に参加。17歳の少年の死を無駄にしないためにと、行き過ぎた正当防衛を許す法律は見直すべきだと主張した。安全な市民生活のために2人が大きなパワーを発揮してくれたものと期待が寄せられている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)