エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「まさかあっちゃんの演技で泣くなんて」。『幽かな彼女』で豹変した前田敦子に反響。

ドラマ『幽かな彼女』も第9話となりストーリーも佳境に入ってきた。自分も昔はいじめっ子だったとカミングアウトするなど、少しずつ本性を現した国語の河合千穂先生を演じるのが前田敦子だ。その河合先生が今回はついに自身の壁を破り、体を張って問題児を救う。前田の渾身の演技に、ツイッターでも「前田敦子がめっちゃいいこと言ってた」、「2回も泣いてしまった」などのつぶやきが続いた。

香取慎吾主演のドラマ『幽かな彼女』は、彼が演じる中学校の神山暁先生が担任を務める3年2組での出来事が物語の中心となる。ヒロインの幽霊・アカネ(杏)はその中学校の女教師だったが、なぜ自分が死んだのかも分からない地縛霊だ。しかし彼女の姿が見える神山先生と同居したことから、彼の担当クラスのいじめ問題に関わる。神山先生の協力もあり、アカネは自分が命を落とした理由を知って因縁のある場所に縛られない浮遊霊となる。彼女が成仏する日が近いことを感じて、神山先生も複雑な思いとなるのだ。

6月4日に放送された第9話では、いじめっ子のリーダー的存在だった京塚りさ(山本舞香)が傷害事件を起こしたことでいじめっ子グループからも冷たくされ、自宅では政治家の父親から「また私の足をひっぱってくれたな」と相手にされない。自宅で孤独な時間を過ごす彼女は、ある決意をするのだ。

実は小学生の時にいじめられた経験がある京塚りさは、ナイフを持って家を飛び出す。かつて自分をいじめた生徒を殺して自分も死ぬつもりなのだ。その頃、彼女を心配したクラスメートや教師たち、そしてアカネが呼び寄せた浮遊霊たちがりさの行方を捜していた。

りさの母校の小学校で彼女を見つけたのは、中学校の教師などやってられるかと退職届を出した河合先生(前田敦子)だったのだ。自分がこんな嫌な人間になるとは思わなかったと死を覚悟するりさに自分を見た河合先生は、人が変わったような据わった目で「私なんてあんたなんかよりずっとつまんない人間だけど、それでも『生きてればなんとかなる』って世の中をなめきって生きてんだよ!」と自分の内側を曝け出す。

それでもりさは自殺しようとしてナイフを首に当てると、間一髪で駆けつけたアカネが彼女にとりついて動きを止めるが早いか、河合先生が跳びかかった。そしてりさの頬を平手打ちすると、強く抱きしめて「死んだら負けなんだよ、辛くても生きてなきゃ意味ないんだよ! 生きてなきゃ!」と涙ながらに言い聞かせたのだ。

前田敦子演じる河合先生はこれまで“ブラック前田”と呼ばれるほど性格の悪い役柄だったが、今回の出来事で豹変して問題児の心を開くこととなったのである。ドラマ放送後に、ツイッターではそんな前田に対するつぶやきが飛び交っている。

「前田敦子の台詞めちゃグッと来た、泣いたわ」、「あっちゃんがふりしぼるように叫び呼びかけた様に泣きそうになった」と、彼女の演技に涙したという内容が目立つのだ。だが「幽かな彼女で2回も泣くとは。しかもふたつとも前田敦子で」、「(同ドラマでの)初泣きがあっちゃんになるとは」、「まさか自分があっちゃんの演技で泣くなんて」と、前田敦子で泣いたことを意外に感じた者が少なくない。

「幽かな彼女の前田敦子はカワイイのにイケメン!」、「めっちゃいいこと言ってた。名言すてきだった」、「ハマり役っぷりを見てると、女優路線でいいんじゃないかなって思う」と彼女を絶賛するつぶやきもある一方で、「あー大事なシーンなのに前田敦子が台無しにしとる」、「前田敦子の演技の下手さに笑いが止まらなかった」という評価もあった。

上映中の主演映画『クロユリ団地』は好評で、中田秀夫監督は「明日香(前田敦子)やミノル君の行方が気になっているんじゃないかなあ」と続編を示唆する発言をするほどだ。だが同作に関しても世間の前田敦子への評価は様々であり、『幽かな彼女』で同じような反応があっても不思議ではない。

話は戻るが『幽かな彼女』で京塚りさを演じる山本舞香は、インタビューの中で「前田さんから本気でビンタされましたね」と明かしている。彼女の演技もさすがだが、前田がいかに役に入れ込んでいるかを証言したものだ。そんな迫真の演技に賛否があるのも、前田敦子がそれだけのインパクトを与えているということだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)