アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】がん患者、病気の苦痛を晴らそうと病院に放火。12人の患者が死亡。(台湾)

23日早朝、台南市の衛生署台南新営病院北門分院付設の介護センターで火災が発生。逃げ遅れた12人の患者が死亡、60人がケガをした。警察の調べによれば、火災の原因は入院患者の男ががんの苦痛を晴らそうと物置に放火したことによるという。男は調べに対し、「こんな大事になるとは思っていなかった」と話している。

『蘋果日報』によれば、新営病院北門分院は4階建ての建物で、2階にアウトソーシングの介護センターが設置され11部屋の病室に70人の患者が入院していた。4階は精神科病棟で、46人の患者が入院していた。

警察と消防の調べでは、火災が発生したのは午前3時25分、建物南側の2階の物置部屋から大量の煙が発生、建物の北側にある介護センターに入り込んでいった。火災に気付いた看護師2人が消火活動に当たるとともに、119番通報し患者を誘導した。4階の入院患者は看護師の指示で無事に階下へ避難した。

介護センターには体の不自由な人や長期寝たきりの高齢者が多く入院しており、救出活動は嘉義市や高雄市に支援を要請するなど大掛かりなものになったという。今回の火災で亡くなったのは56歳から86歳までの12人で、胃ろうや人工呼吸器による治療を受けていた患者たちであった。検死の結果、窒息による死亡だったことがわかっている。

鎮火後、警察と病院で入院患者の安否を確認したところ、大腸がん患者の男の姿が見当たらないことに気付いた。捜してみると、病院近くの空き家で上半身裸の男を発見。男の焼け焦げたズボンの中からライターが見つかると、男は犯行を認めた。

警察の調べによれば、男は進行する病魔に堪えられず、最近は気が立って人や物に八つ当たりばかりしていたという。病室で金をばら撒くこともあったそうだ。男は事件当時の様子について、「夜中にお腹を下して、痛くて痛くて死にたくなった」、「物置部屋で上着を脱いで火をつけ布団の上に投げた」、「すぐに後悔して消そうとしたがやけどをしてしまい、人に見つかってはいけないと思いその場を離れた」と供述している。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)