writer : yonashi

【ドラマの女王】“棒読み”AKIRAでも視聴率上位をキープ。やっぱり「鬼塚英吉」は偉大だった。『GTO』

放送前、今クール一番不安視されていたであろうドラマ『GTO』(フジテレビ系)が予想を大きく裏切り視聴率上位をキープしている。

元暴走族のヘッドだった鬼塚英吉(AKIRA・EXILE)が高校教師として採用されるところからドラマは始まる。副担任の冬月あずさ(瀧本美織)を巻き込みながら、教師とは思えない破天荒な行動で、生徒と分かり合っていくストーリーだ。1998年に反町隆史、松嶋菜々子で放送された伝説的ドラマのリメイク版だ。設定もほぼ当時のままに制作されている。

フジテレビのリメイクと言えば、昨年の夏クールにAKB48の前田敦子主演で放送された『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』の悪夢がよみがえる。それでも再チャレンジする同局を心配したが、予想に反する結果に驚くばかりである。

もともとは赤西仁が鬼塚役に内定していたというが、結局どちらがよかったのかは分からない。ビジュアルの点では前回演じた反町や内定していた赤西の誰よりもAKIRAが鬼塚らしいと思う。ドラマ内でもそのビジュアルと振る舞いは、まさにこれが鬼塚の理想形なのではないかと感じる瞬間が多々ある。しかし、演技力という面から見れば、AKIRAの演技はとても褒められたものではない。棒読みもいいところである。

にもかかわらず、である。視聴者が離れることなく毎週キープ出来ているのはなぜなのか。『イケパラ』と大きく違うのは、前作放送からの年数だ。前作『GTO』が放送されていたのは14年前だ。これだけブランクがあれば、今の視聴者、特に若いEXILEファンには前作を知る者も少ない。元暴走族のヘッドが破天荒に動き回るさまは、98年当時と同様に新鮮に映るのかもしれない。当時もかなりのインパクトだったが、人間関係が希薄と言われて久しい現代。特に教師と生徒の関係は様変わりしているだろう。そんな学生生活を送っている現役、または送っていた10代、20歳前後の人たちの目には、鬼塚の人との接し方は強烈なインパクトを与えているのかもしれない。

記者も前作を見ているにも関わらず、やはり鬼塚の言動にハラハラし、どこか惹かれている。これはAKIRAの演技うんぬんをも超えて、鬼塚英吉というキャラクターがそうさせているのだろう。鬼塚英吉あっての『GTO』。みんなどこかで「グレート(G)ティーチャー(T)鬼塚(O)」を求めているのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)