YKI48（ワイケーアイ・フォーティーエイト）はYOKAI48の略称である。福岡市博物館が、特別企画展『幽霊・妖怪画大全集』のイベントとして妖怪画160点から選ばれた48妖怪の人気投票を企画したものだ。関係者も「我ながら、なんという便乗企画」と認めるようにAKB48の総選挙のパロディ的なイメージもうけるが、これがなかなか濃い内容となっている。

AKB48選抜総選挙が6月6日に開催されて、大島優子が1位となった。アイドル界の大イベントが終わり総選挙熱も下がり始めたのも束の間、今度は妖怪たちの総選挙が行われることが分かった。

妖怪といえば漫画家水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』が有名だが、そこにも日本各地の妖怪伝説や絵画で知られる妖怪たちが登場する。そんな妖怪画を集めた特別企画展『幽霊・妖怪画大全集』が、福岡市博物館にて6月30日から開催される。

円山応挙や伊藤若冲、歌川国芳に月岡芳年らが描いた幽霊や妖怪の作品も含めた160点が公開されるのだ。従来の博物館の絵画展は展示された絵画を淡々と鑑賞するイメージだが、「オカルトやホラーが苦手な方々や小学生のお子さまにも楽しんでいただける」ように工夫を凝らしたと関係者はいう。そのひとつが“YKI48総選挙”である。

本展では「お岩」、「ゆき女」といった怪談でも知られるお化けから、「ぬっぺっぽう」、「ぬらりひょん」などゲゲゲの鬼太郎でもおなじみの妖怪が描かれた作品も展示される。他にも「おとよの化け猫」、「ろくろ首」、「猫また」、「へび女」など名前でイメージできる妖怪もいれば、作品名からは妖怪の名前が分からないものもいるのだ。その場合は“妖怪図鑑”としてではなく、図柄から作者が意図したものを感じ取る楽しみ方も必要となる。

その為、総選挙に参加するYKI48のメンバー48妖怪の選挙ポスター（画像）にも基本として名前は掲載されておらず、“見た目”でアピールする形をとっているのがおもしろい。だが、それでは妖怪のイメージがまったくつかめないという配慮からか、似たような特徴を持つ妖怪によるユニットも結成されている。

例えば、ビジュアル系ユニット『美YOU霊』は「彼女候補」、「薄幸な美女」、「念入りメイク」など8妖怪からなる。おどかし系ユニット『あなたにもタタリ隊』や野獣系ユニット『妖ZOO∞（ようズーエイト）』はアイドル路線か。他にも天然系ユニット『妖怪戦隊ヒョウキンジャー』に暴走系ユニット『チーム魍魎（もうりょう）』や一家に一匹系ユニット『BEST PETS』の6ユニットで各ユニットのメンバーは8妖怪となる。

来場者はチケット1枚につき1票の投票権があり、YKI48から好きな妖怪に投票することができる。特別企画展『幽霊・妖怪画大全集』の開催が6月30日から9月2日までと怪談シーズンでもあり、節電も必要となる時期ということも手伝ってこちらの総選挙も盛り上がりそうだ。
（TechinsightJapan編集部　真紀和泉）