エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】「東京は人もラーメンも温かい」。フォーリンラブ、ハジメのラーメン屋感動秘話。

お笑いコンビ、フォーリンラブのハジメが、つい最近体験した映画のワンシーンのようなラーメン屋でのエピソードをブログに綴っている。最近は相方のバービーばかりが目立つが、その心温まる内容からは彼の感性も衰えていないことが分かり、ホッとさせられた。

フォーリンラブを結成する前にバービーは、あの珍獣ハンターのイモトアヤコとコンビ“東京ホルモン娘”を組んでいた。その後コンビは解散し、ピンで活動するバービーにハジメが声をかけてフォーリンラブを2007年に結成した。コンビとして本格的に活動し始めたのは2008年になる。まだハジメがテレビ出演もしたことがない5年前の出来事を、『フォーリンラブオフィシャルブログ』で明かしている。

5年前といえばフォーリンラブを結成した頃で、“イエス、フォーリンラブ”のネタでブレイクもしていない時期だ。「僕が祐天寺という街に住み始めた頃、よく通っていた一軒のラーメン屋さんがありました」とハジメは当時を思い出す。こぢんまりとしたラーメン屋は白髪に白い髭の頑固そうな店主が1人できりもりしていた。その豚骨ラーメンが絶品でいつも満席だった。ハジメも通ったが、寡黙な店主の迫力に言葉を交わすこともなかった。ラーメンが絶品なだけでなく、“めし”は「ドラゴンボールに出てくるような量」で150円という店主のやさしさが伝わる店だったのである。

ところが、ある日その店が閉店。ハジメが心配していると半年後にまた店は開いたが、店主は別人でラーメンの味も違っていた。ハジメは他の客の会話から、前の店主が過労で倒れて田舎に帰ったことを知った。

現在ハジメは、祐天寺から離れて別の街に住んでいる。今年4月20日のことだ。ハジメが自転車で散策していると、新しいラーメン屋さんを見つけたので中の様子をうかがった。なんとその店は、あの白髪に白い髭の店主が開いていたのだ。店に入るとラーメンや“めし”も当時のままだった。そしてハジメが話しかけられないほどの店主の寡黙な迫力も変わらない。しかし、ハジメが会計をしていると店主が「昔と味、変わってなかった?」と口を開いてくれたのだ。一度も言葉を交わしたことの無いハジメを憶えていてくれたのである。

「東京は人が冷たいなんて言うけど、ちゃんと温かいですよね。ラーメンも」と綴るハジメの気持ちが伝わり、こちらも温かくなるエピソードであった。

ずいぶん前のことだが短編小説『一杯のかけそば』が感動を呼び1992年に映画化されたが、麺類は人の思い出の重要な役割を担うのだろうか。お笑い芸人のヒロシやナイツの塙宣之も、下積み時代には地元のラーメン屋に通い店主から世話になった思い出を話していたことがある。ファミレスと違った個人経営の店ならではの温もりが、彼らを引きつけるのだろう。そんなお店が少なくなったのは寂しい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)