アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】政府の力不足か・・・南アフリカ人女性、中国で処刑される。

「南アフリカ人女性が月曜日に中国で処刑される予定」。このニュースは、土・日曜日に南アフリカで話題となっていた。そして12月12日月曜日、女性は処刑されたという報道が新聞の一面を飾った。

女性はクワズール・ナタール州に住むジャニス・ブロンウィン・リンデン容疑者(37)。彼女は2008年11月に空港の荷物検査でメタンフェタミン、クリスタルメスともいわれるドラッグを3キロ運んでいたことが発覚、中国で逮捕された。そして2009年、無罪を主張しながらも中国の法律で有罪となり、2010年4月8日に死刑判決を言い渡された。

南アフリカの国際関係協力省は「この件に関しては中国側へ手紙を出し、懲役の切替や死刑をしないよう嘆願してきた」。さらに、リンデン容疑者の家族へのサポートを行っていたことも述べた。また中国にある南アフリカ大使館でも恩赦の要請をするなどアプローチをしていたという。

先日、ダーバンで開催されたCOP17でも中国関係者に協力を要請したが、拒否。12月11日には野党DAが、ズマ大統領にリンデン容疑者の死刑を止めてもらうよう頼んだが、DAによると「我が政府は、国民1人が他国で死刑をされるだけでは動かなかった」そうだ。結局リンデン容疑者は12月12日の朝に注射による薬殺刑を執行された。中国で初めての南アフリカ人の死刑だった。

リンデン容疑者は、12日朝に突然、刑の執行を言い渡されたそうだ。リンデン容疑者の2人の姉妹はこの週末に中国へ行っていたが、12月11日に1時間だけ面会、さらに死刑当日は執行まで一緒に過ごした。

今年の3月の時点で、麻薬所持で海外の刑務所に入っている南アフリカ人は600人以上おり、そのうちの約半数は南米の刑務所にいる。しかしこれは大使館に報告されている数であって、実際は2倍以上はいるのではないかといわれている。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)