writer : maki

「被災者に地域の情報を」。“みやこさいがいFM”が4月7日の地震後も発電機で予定外放送。

3月11日に東日本大震災で被災した東北地方では震災後に多くの臨時災害FM局が開局された。津波で大きな被害を受けた岩手県宮古市でも「みやこさいがいFM」が現在も情報を届けている。同局の関係者がラジオ番組で4月7日に発生した震度6とされる地震の様子を話した。

「みやこさいがいFM」は3月22日から放送を開始している。4月8日の「クロノス」(TOKYO FM)では同局のキムラアヤコさんに電話インタビューを行った。
キムラさん達は震災後の津波の被害の中で臨時災害FM局を立ち上げたが、スタッフ全員も被災者であり「生活との両立が大変だった」とその苦労を語った。取材もガソリンが無い状況で徒歩で行うしかなかったという。
しかし県域エリアのラジオやテレビが広域での情報を流すのに対して、同局は宮古市の細かな情報を流すことで地域の方からは「安心感につながる」という声ももらえた。

「みやこさいがいFM」では、ライフラインの状況や病院、商店の開店状態、そして安否確認や行政情報、街の話題、市民の声など届けている。
毎日の放送時間は9:30~13:00、14:00~16:00 の2回となっているのだが、4月7日夜発生した地震の際には急遽番組を放送した。

キムラさんは昨夜のことについて「これまでも余震は起きているが昨夜はその中でも大きな地震で、津波注意報も出たので11日のことを思い出して私もあわてました」と語った。
彼女は「棚の花瓶が倒れたりした」と揺れもひどかったことを話した。しかしキムラさんやFMスタッフはそんな状況の中、スタジオにかけつけて停電の為に発電機を用意して臨時放送を行ったのである。宮古市の人々もいつも耳にする、「みやこさいがいFM」の放送に落ち着きを取り戻せたのではないだろうか。

キムラさんは宮古市でもライフラインが復旧してきたところで、生活も少しずつ落ち着いており「これからは心のケアに焦点をあてていきたいと思っている」と話した。一時も早く余震が少なくなり復興へ向けて動ける環境となることを願うばかりである。
東北地方では他にも多くの臨時災害FM局が開局されている。対象エリアの方は大いに活用して欲しい。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)